- 商品やサービスを消費者が知ってから購入するまでの行動プロセス
- プロセスの段階は「認知」→「興味・関心」→「比較・検討」→「購入」
- 各段階ごとに人が離れていくことから、入口は広く出口は細い形状をしたファネル「日本語:漏斗(じょうご)」を表している
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マーケティングファネルをわかりやすく
マーケティングファネルをわかりやすく説明すると
企業が出した商品やサービスを消費者が購入するまで行動する「認知」→「興味・関心」→「比較・検討」→「購入」の4段階のプロセス
マーケティングファネルとは わかりやすい例
もっと噛み砕いてわかりやすく説明すると
企業は商品やサービスを買ってもらいたい。でも商品やサービスを買ってもらうまでには段階がある。まず商品やサービスの存在をしってもらわなければなりません。なぜなら商品やサービスを知ってもらえなければ買ってもらうことは不可能だからです。そのため商品やサービスを「認知」してもらうため宣伝します。その商品やサービスを「認知」した顧客が「興味・関心」を持てば次の段階に進みます。その商品やサービスのターゲット層であれば、「興味・関心」を持ち、「興味・関心」を持たなかった人は、その時点で離脱。「興味・関心」を持った顧客は、次に「比較・検討」をし、「興味・関心」はあるけど、「買おうか買わないか」、「他の商品やサービスと比べて優れてるか」など考えるはずです。「比較・検討」の対象になるように、商品やサービスに特徴をつけたり、競合より価格と下げたりします。そして「比較・検討」した結果、残った人が「購入」します。このプロセスがマーケティングファネルです。またこの消費者の行動プロセスをフレームワークとして企業がマーケティング活動に使用します。
例えば、新しいシャンプーを発売する場合、メーカーは消費者に認知してもらう必要があるので、テレビCMや新聞広告、雑誌広告に出稿したり、X(旧Twitter)、Instagram、TikTokなどのSNSに投稿したり、消費者が製品を見る機会を作る。新しいシャンプーを目にして、興味・関心を持った人が、メーカーの公式サイトやAmazonや楽天を見たり、ドラックストアやコンビニやスーパーに行ったりして、製品の情報を確認する。興味・関心はあるけど、価格や自分のニーズに合ってるか考え、レビューサイトやSNSでの口コミを参考にして検討します。検討した結果、新しいシャンプーを購入することを決めた人が、メーカーの公式サイトやAmazon、楽天でオンラインでオンライン決済するか、家電量販店やキャリヤショップに行って購入する。
企業は新しいスマートフォンを多く売るために、このようにマーケティングファネルの「認知」→「興味・関心」→「比較・検討」→「購入」の消費者行動を想定して、マーケティング活動を行います。
マーケティングファネルはどのように
- STEP1ターゲット顧客の明確化
ターゲットとする顧客層を明確に定義する。年齢、性別、居住地、興味関心などのデモグラフィック情報を分析し、商品やサービスに合った顧客像を設定します。例えば売りたい商品をシャンプーとして、20代前半の女性、1人暮らしで、就職したばかりで仕事熱心。
- STEP2各段階の定義
次に、各段階「認知」→「興味・関心」→「比較・検討」→「購入」を、具体的にどのような行動か定義する。例えば、「認知」→「Instagramのポストへのインプレッション数」、「興味・関心」→「Instagramのポストのいいね数」、「比較・検討」→「Instagramのポストの質問コメント数」、「購入」→「Instagramに連携したECサイトからの購入」など。
- STEP3各段階のKPI設定
各段階で達成したいKPI(数値目標)を設定する。STEP2での定義にもとづき、各段階ごとに適切なKPIを設定する。例えば、「認知」→「Instagramのポストへのインプレッション数を20,000」、「興味・関心」→「Instagramのポストのいいね数を3,000」、「比較・検討」→「Instagramのポストの質問コメント数を1,000」、「購入」→「Instagramに連携したECサイトからの購入数500」など。
- STEP4施策実行と分析
KPI達成のための施策を実行し、KPIに対する進捗を定期的に分析する。課題があれば施策を改善します。
- STEP5改善の繰り返し
分析をし続けて、結果をフィードバックし、KPI達成のため最適化していきます。
マーケティングファネルの事例
- Amazonは認知段階では幅広い広告出稿、関心段階ではレコメンド機能、検討段階では口コミレビューやプライム会員特典、購入段階ではワンクリック購入など、各段階に合わせた施策を展開。
- Appleは認知段階では新製品発表会な、関心段階では関心を高めるためiPhone発売前の流出情報、検討段階ではAppleストアでiPhoneの実機を体験できる、など。 AppleのプレミアムなブランドイメージとiPhoneの優れたユーザーエクスペリエンスで、ファネルの出口(購入数)を最大限に広げる。
- Netflixは無料トライアル期間で認知から関心喚起し、豊富なコンテンツとAIレコメンド機能で検討を促す。また、ユーザーの視聴履歴を分析し、パーソナライズされた広告を出すなどファネル最適化を行っている。
このようにAmazon、Apple、Netflixのような巨大企業では、特性に合わせてマーケティングファネルを徹底活用し、効果的な顧客獲得を実現しています。
マーケティングファネルは古い?
マーケティングファネルが古いと言われる理由の1つに、約120年以上前に提唱された古くからある概念ということ。マーケティングファネルという概念が初めて提唱されたのは1898年のことと考えられています。
マーケティングファネルの起源となったのは、アメリカの広告理論家であるE・セント・エルモ・ルイスが1898年に発表した「Purchasing Funnel(購買ファネル)」という考え方です。
ルイスは、消費者が製品を認知し、興味や欲求を持ち、最終的に購入に至るまでのプロセスを、入り口が広く出口が狭い「ファネル」の形状に例えました。このファネルを通過する顧客数が段階を経るごとに減少していくことから「ファネル」と呼ばれるようになり、その後、1924年にスタンプ・シャウッツが「AIDA(注意→興味→欲求→行動)モデル」を提唱し、マーケティングの基本プロセスを示しました。
次にマーケティングファネルは、「認知」→「興味・関心」→「比較・検討」→「購入」という一方的な流れを想定していますが、実際の消費者の行動は、それほど単純ではありません。段階を進んだり、戻ったりしながら判断しています。そしてインターネットがない、マスメディア主流時代の概念のため、消費者が得れる情報量が現代とは比較になりません。マスメディアから一方的に流れてくる情報以外に消費者自身が情報を取りにいける時代です。さらに価値観も様々で、多様性が求められ、許容される時代なので、消費者行動をマーケティングファネルだけで正確に捉えきれなくなってきたのも理由になります。
マーケティングファネルまとめ
- 商品やサービスを消費者が知ってから購入するまでの「認知」→「興味・関心」→「比較・検討」→「購入」の4段階の行動プロセス
- 入口は広く出口は細い形状をしたファネル「日本語:漏斗(じょうご)」を表しているが、入口(認知)を最大限に広げ、出口(購入)も最大限に広げるのが企業の目標
- 消費者の行動プロセスをフレームワークとして活用している企業は多いが、一方的な流れを想定していて古くなっているので、現代に合わせた対応が必要になってるかも
ファネルをファンネルと言ったり、表記している業界や会社もあります。どちらも間違っていませんので、その業界や会社に合わせて使いましょう。「間違ってますよ。」なんて指摘はしないほうがいいです。
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