銀行ITの常識が変わる?三菱UFJ銀行が選んだ「テンセント×中国事業」のリアル

企業・経営問題

三菱UFJ銀行は中国ネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)と中国事業で提携する

このニュースは要するに
  • 三菱UFJ銀行は中国事業でテンセントと提携し、業務効率化を進める方針
  • 2027年10月をめどに、中国本土の基幹システムをテンセントクラウドへ移行
  • アバンキングシステムは、従来使用していた日本と同じ自社開発品から刷新

ついにメガバンクも中国でクラウドに乗る時代ですか。

SNSの声

投稿内容は、あくまで投稿者個人の見解や意見です。

重要な情報については、単一の投稿を鵜呑みにせず、公的機関の発表や複数の報道機関など、異なる情報源からもご確認いただくことが大切です。

考察

三菱UFJ銀行が中国の基幹システムを、自社開発品(日本と同じもの)からテンセントのクラウドへ切り替えるというのは、非常に象徴的な出来事だと考えます。

これまでの銀行の基幹システムというのは、セキュリティや信頼性の観点から「自社で作って、自社でガッチリ守る」のが当たり前でした。例えるなら、自分の敷地内に頑丈な金庫室をDIYで作って、鍵も自分で管理していたようなものですね。

しかし、中国という巨大で変化の激しい市場では、この「自前主義」ではスピードが追いつかなくなってきているはずです。現地には既に金融機関向けのソフトウェアを提供する会社が存在し、テンセントのようなネット大手が提供するクラウドサービスは、新しいサービスを素早く導入するための「調理器具セット」をまるごと提供してくれます。

銀行のコアバンキングシステム(預金や融資を管理する心臓部)を、スピード感があり、AI活用にも積極的なテンセントの基盤に乗せることで、現場での業務効率化を一気に進めたいという意図が見えます。特にAI連携の協業を広げるというのは、最新技術を自分たちだけでキャッチアップする大変さから解放されたい、という切実な思いの表れでしょう。もはや、金庫室の作り方を知っている職人よりも、最先端の警備システムとツールを提供し続けるプロバイダーに任せた方が賢い、という判断に変わってきているのですね。これは合理的な選択だと思います。

自前で金庫を作る時代は終わり。中国のリアルなスピードに対応する合理的な判断です。

所感

日本のメガバンクが、海外とはいえ、中国のネット大手に心臓部であるコアバンキングを預けるというのは、技術に対する考え方が完全に変わったことを示していると感じます。銀行システムの堅牢性神話が崩れつつあるのを見せつけられた気がしますね。

これまで日本の金融機関は、国内仕様のシステムをそのまま海外に持ち込む傾向が強かったわけですが、現地の最先端技術を取り込まなければ生き残れないという危機感が、ついに「提携」という形になったのでしょう。現場のニーズに即した判断だと思います。

ただ、セキュリティや規制の部分で、テンセント側にどこまでガバナンスが効くのか、というのは非常に気になるところです。便利な車(クラウド)に乗るのはいいですが、運転席に誰が座っているのか、走行ルートは完全にコントロールできるのか。

メガバンクの中国事業はクラウドへ。既存のIT常識が問われる大きな一歩です。

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