- 米ドルや日本円といった法定通貨に価格を連動させることで、値動きを抑えたデジタル通貨だよ
- ビットコインのような暴騰・暴落がほぼないから、国際送金や決済の実用手段として企業や金融機関が本気で注目しているんだ
- 2023年の法改正で日本でも正式に使えるようになったから、今後は銀行送金の代わりに使う場面がじわじわ増えていくと思っておいたほうがいいよ
暗号資産の世界では、ビットコインのように1日で数十パーセント価格が動く銘柄が珍しくありません。4コマ漫画のジェットコースターは、まさにこの激しい値動きそのものを表しています。投資目的ならまだしも、日常の決済手段として使うには不安定すぎるのが現実でしょう。
そこで登場したのがステーブルコインという仕組みです。米ドルなどの法定通貨と1対1で価値が連動するよう設計されており、漫画の遊覧船のように周囲が荒れていても価格が安定するのが最大の特徴といえます。実際に2024年のステーブルコイン取引額は5.6兆ドルに達し、国際送金や企業間決済の分野で急速に存在感を高めました。
ただし、4コマ目が示すように安定の根拠となる裏付け資産の中身こそが最大のリスクポイントになります。2022年5月にはアルゴリズム型のTerraUSDが数日で無価値に暴落し、数兆円規模の損失が発生しました。法定通貨担保型であっても、2023年3月にUSDCの準備金を預けていたシリコンバレーバンクが破綻した際、一時的にドルとの連動が崩れる事態が起きています。
船底に何が積まれているかを確認せずに乗り込むのは危険です。ステーブルコインを利用する際は、発行元が公開する監査レポートや準備金の構成を必ずチェックしてください。日本では2023年の改正資金決済法により裏付け資産の保有が法的に義務付けられましたが、海外発行のコインにはその保証がない場合もあります。安定という名前に安心せず、裏側の仕組みまで目を向けることが、デジタル通貨時代のリテラシーとして求められるのではないでしょうか。
【深掘り】これだけ知ってればOK!
ステーブルコインを理解するには、まずビットコインとの対比で考えるとわかりやすいでしょう。ビットコインは1日で10%以上値動きすることも珍しくありません。コーヒー1杯の支払いに使おうとしたら、朝と夕方で金額が変わってしまう――これでは日常の決済手段として不便です。
こうした課題を解決するために生まれたのがステーブルコインです。代表的な銘柄であるUSDTやUSDCは、発行元が発行額と同額の米ドルや米国債を準備金として保管しており、1コイン=1ドルの交換を保証する仕組みになっています。つまり、デジタル上で動くドルのようなものだと捉えてよいでしょう。
では、普通の銀行送金やクレジットカードがあるのに、わざわざステーブルコインを使う理由は何でしょうか。最大のメリットは国際送金のコストと時間の削減にあります。従来の国際送金は複数の銀行をバケツリレーのように経由するため、手数料が数千円、着金まで数日かかることも日常茶飯事でした。ステーブルコインなら、ブロックチェーン上で直接相手に届くため、手数料は数円〜数十円程度、着金も数分で完了するケースがあります。
日本では2023年6月に改正資金決済法が施行され、法定通貨に裏付けられたステーブルコインが電子決済手段として法的に定義されました。2025年3月にはSBI VCトレードが国内初の電子決済手段等取引業者として登録を完了し、米ドル建てのUSDCが国内で取引可能になっています。一方、米国では2025年7月にGENIUS法(ステーブルコインの包括的規制法)が成立し、発行者への監督体制が整備されました。法規制が追いつくことで、今後は企業の導入がさらに加速すると見られています。
ただし、注意点も忘れてはなりません。ステーブルコインは法定通貨そのものではなく、あくまで発行元企業の信用に依存しています。発行元が破綻したり、裏付け資産の管理が不十分だった場合、コインの価値が崩れるリスクがあるのです。先述のTerraUSD崩壊はその典型例でしょう。利用する際は、発行元の監査情報や準備金の透明性を確認する習慣を持つことが大切です。
会話での使われ方

海外のフリーランサーへの報酬、銀行送金だと手数料がかさむんですよね。USDCみたいなステーブルコインで払えば、コストを大幅にカットできるかもしれません。一度テスト送金してみませんか?
経理担当者が、海外取引先への支払い方法について経営企画部のマネージャーに提案している場面。社内ミーティングでの発言。




ステーブルコインって暗号資産の一種なんだけど、ビットコインみたいに価格が乱高下しないのがポイント。ドルに連動してるから、外貨預金に近い感覚かな。
入社3年目のエンジニアが、ランチ中に同期から暗号資産について聞かれ、雑談ベースでかみ砕いて説明している場面。




弊社のブロックチェーン決済基盤では、ステーブルコインを組み込む設計を想定しています。御社の越境EC決済にも適用可能ですので、具体的なユースケースをご提案させてください。
フィンテック企業の営業担当が、EC事業者の役員に対して商談の場で自社サービスを紹介している場面。フォーマルなプレゼンテーションの一幕。
【まとめ】3つのポイント
- 法定通貨をデジタル化した実用派の暗号資産:ビットコインが投機目的の金なら、ステーブルコインはブロックチェーン上を流れる現金に近い存在です
- 国際送金のコストと時間を劇的に圧縮できる:銀行を介さず直接送れるため、手数料・着金スピードの両面で既存の仕組みを上回る可能性を秘めています
- 発行元の信用と法規制の動向は常にチェックする:裏付け資産が不透明なコインを選ぶとTerraUSD級の暴落に巻き込まれるリスクがあるため、監査レポートや規制対応状況の確認を怠らないことが重要です
よくある質問
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Qステーブルコインは日本で買えますか?
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A
2025年3月からSBI VCトレードが米ドル連動型のUSDCを取り扱っています。また、Coincheckでは暗号資産担保型のDAIを売買できます。国内で購入できる銘柄はまだ限られていますが、法整備の進展とともに選択肢は今後増えていくと考えられます。
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Qステーブルコインで利益を出すことはできますか?
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A
価格が法定通貨に連動しているため、ビットコインのような値上がり益は基本的に期待できません。ただし、ドル建てのステーブルコインを保有すれば為替差益を得られる場合がありますし、レンディング(貸し出し)で利息収入を得る方法も存在します。SBI VCトレードではUSDCのレンディングサービスが提供されています。
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Qステーブルコインの価格が崩れることはありますか?
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A
実例があります。2022年5月にアルゴリズム型のTerraUSD(UST)が数日で暴落し、事実上の無価値状態に陥りました。法定通貨担保型でも、2023年3月にUSDCの裏付け資産を預けていたシリコンバレーバンクが破綻した際、一時的にドルとの連動が外れています。発行元の信頼性や裏付け資産の内容を事前に確認することが欠かせません。
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QステーブルコインとCBDC(中央銀行デジタル通貨)との違いは何ですか?
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A
最も大きな違いは発行主体です。ステーブルコインはテザー社やサークル社のような民間企業が発行・管理しますが、CBDCは中央銀行が法定通貨として自ら発行します。CBDCは国家の信用が裏付けとなるため安定性は高い一方、開発に巨額の公的資金が必要です。ステーブルコインは民間のイノベーションを活かせる反面、発行元への信頼に依存するリスクがあります。
【出典】参考URL
https://www.smfg.co.jp/dx_link/dictionary/0101.html :ステーブルコインの定義・市場規模・日本の法整備・トークン化預金との違いの根拠
https://bitflyer.com/ja-jp/s/glossary/stable-coin :ステーブルコインの種類(法定通貨担保型・暗号資産担保型・無担保型)の分類根拠
https://www.nikkei.com/topics/23060100 :日本における法的位置付け(仮想通貨とは別に法律を整備)の根拠
https://stripe.com/jp/resources/more/what-is-a-stablecoin :2024年の取引額5.6兆ドル・ビットコインとの対比情報の根拠
https://diamond.jp/crypto/market/stablecoin/ :GENIUS法成立・SEC動向・メタ参入検討など最新情報の根拠
https://www.sbivc.co.jp/usdc :SBI VCトレードの電子決済手段等取引業者登録・USDCレンディングの根拠
https://www.nri.com/jp/media/column/kiuchi/20250814.html :ステーブルコインとCBDCの比較・メリットデメリットの根拠



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