ハイブリッドクラウドとは?オンプレとクラウドの最適な組み合わせを解説

システム開発・テクノロジー
ハイブリッドクラウドとは?ざっくりと3行で
  • オンプレミスとパブリッククラウドを組み合わせて運用するIT環境の形態。それぞれの強みを活かして弱みを補い合う設計思想だ
  • 機密データはオンプレミスで完結させながらトラフィックが急増する部分だけクラウドで柔軟に拡張できる。セキュリティと拡張性の両立が最大の魅力だ
  • マルチクラウドは複数のクラウドを併用する概念で、ハイブリッドクラウドとは別の意味。今日の大企業インフラの多くがこのハイブリッド・マルチクラウドの組み合わせで運用されている

【深掘り】これだけ知ってればOK!

ハイブリッドクラウドとマルチクラウドは混同されやすいが、軸が異なる。ハイブリッドクラウドは「オンプレミス×クラウド」の組み合わせを指す。マルチクラウドは「AWS×Azure」など複数のクラウドベンダーを使う構成を指す。両方を組み合わせたハイブリッド・マルチクラウドも一般的だ。

ハイブリッドクラウドの典型的な使い分けパターンを見てみよう。銀行なら顧客の口座情報はオンプレミスの基幹システムで管理し、Webバンキングのフロントエンドはクラウドでスケールするという構成が代表的だ。医療機関なら電子カルテはオンプレ、検索・分析はクラウドという分け方もある。

ハイブリッド化を実現する上での技術的な鍵はオンプレミスとクラウドの安全な接続だ。インターネットVPNや専用線(AWS Direct Connect・Azure ExpressRoute)でデータセンターとクラウドを接続し、セキュアに通信できる回線を確保することが前提になる。

ハイブリッド環境の最大の運用課題はネットワーク設計の複雑さとデータの一貫性管理だ。オンプレとクラウドでデータが分散するため、どちらが正となるかのデータ整合性ルールを設計段階で決めておかないと、のちに障害発生時の原因特定が困難になる。

コスト面では、クラウドだけに全振りするよりもハイブリッド構成のほうが総コストを最適化できるケースがある。常時安定した負荷はオンプレの固定コストで賄い、キャンペーン時など突発的な負荷増はクラウドで従量課金する「クラウドバーストング」戦略が代表的な活用パターンだ。

よくある誤解

ハイブリッドクラウドは移行の過渡期にある一時的な構成ではない

クラウドへの完全移行の途中段階とみなされることがあるが、セキュリティ要件やレイテンシ要件から意図的にハイブリッドを維持する企業は多い。特に大企業・金融・製造業では恒久的な構成として採用されている。

ハイブリッドクラウドは中小企業には難しいというわけではない

専用線接続が必要なイメージがあるが、VPN接続でも十分な用途は多い。中小企業でもNASとクラウドストレージを組み合わせるだけでハイブリッド構成の恩恵を受けられる。

会話での使われ方

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基幹システムはオンプレで動かし続けて、新規サービスのインフラはクラウドで作る方針でいきます。段階的な移行でリスクを最小化します。

DX推進プロジェクトのキックオフで、CTOが移行戦略を説明している場面。

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クラウドだけに振り切れない理由って何ですか?

若手エンジニアが上司にハイブリッド構成を選んだ理由を確認している場面。規制・レイテンシ・既存資産の3点が主な答えになることが多い。

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キャンペーン期間中だけクラウドにバーストさせる構成にしてあります。普段はオンプレで十分なんですが、年に数回のピーク対策がこれで解決しました。

ECサイトの担当インフラエンジニアがクラウドイベントの登壇でハイブリッド活用例を紹介している場面。

【まとめ】3つのポイント

  • 「オンプレの管理性とクラウドの拡張性を両取りする設計」:ハイブリッドクラウドは用途に応じてオンプレとクラウドを使い分けることで、セキュリティと柔軟性を同時に実現する
  • クラウドバーストングでピーク時のコストを最適化できる:平常時はオンプレの固定コストで賄い、負荷が急増するときだけクラウドに溢れさせる戦略がコスト効率を高める
  • マルチクラウドと混同しないよう区別しておく:ハイブリッドはオンプレ×クラウドの組み合わせ。マルチクラウドは複数クラウドベンダーの併用。軸が異なる概念だ

よくある質問

Q
ハイブリッドクラウドの代表的な構成パターンを教えてください
A

基幹システムをオンプレに残してWebフロントをクラウドに置くパターン、テスト環境のみクラウドを使うパターン、データバックアップ先としてクラウドを使うパターンが代表的です。

Q
ハイブリッドクラウドに必要な専用ツールやサービスはありますか?
A

AWS Outposts・Azure Arc・Google Anthos など、オンプレとクラウドを統合管理するサービスが各クラウドベンダーから提供されています。接続手段としてはAWS Direct Connect・Azure ExpressRouteなどの専用線サービスも活用されます。

Q
ハイブリッドクラウドの導入で難しいのはどの部分ですか?
A

オンプレとクラウドにまたがるネットワーク設計、データの整合性管理、監視・運用ツールの統一化が難しい部分です。特に障害発生時にどちら側が問題かを特定するための可観測性(オブザーバビリティ)の確保が重要です。

Q
ハイブリッドクラウドとマルチクラウドの違いは何ですか?
A

ハイブリッドクラウドはオンプレミスとクラウドの組み合わせを指します。マルチクラウドはAWSとAzureのように複数のクラウドベンダーを使う構成です。両方を組み合わせた「ハイブリッド・マルチクラウド」として運用している大企業も多くあります。

【出典】参考URL

https://www.hpe.com/jp/ja/what-is/hybrid-cloud-vs-multi-cloud.html :ハイブリッドクラウドとマルチクラウドの比較
https://www.stnet.co.jp/business/know-how/column012.html :ハイブリッドクラウドのメリット・デメリット

コメント

「IT用語、難しすぎて心が折れそう……」という方のための、ハードル低めな用語辞典です。

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