オンプレミスとは?自社運用のメリットとクラウドとの違いを解説

システム開発・テクノロジー
オンプレミスとは?ざっくりと3行で
  • 自社内にサーバーやネットワーク機器を設置し、自社で管理・運用するITインフラの形態。on-premisesの日本語読みで「オンプレ」と略されることが多い
  • ハードウェアからOSまですべて自社で制御できるためカスタマイズの自由度とセキュリティの完結性が高い。金融・医療・官公庁などで依然として採用される理由はここにある
  • クラウドと対比されることが多く、初期投資が大きいがランニングコストは安定する。クラウドへの移行が進む今も、セキュリティ要件や既存システムとの兼ね合いから選択されるケースがある

【深掘り】これだけ知ってればOK!

「オンプレ」という略語は日本固有の表現で、英語圏ではon-premises(プレミシス)と正式表記する。会議資料に英語で書く際はon-premisesと複数形にするのが正式だ。on-premiseと単数形で書くのは誤用とされている。

クラウドが当たり前になった今もオンプレミスが選ばれる理由は大きく3つある。第一にデータの完全なコントロール——クラウドに置けない機密データや個人情報を自社内で完結させられる。第二にレイテンシ要件——工場の製造ライン制御など、ミリ秒単位の応答が必要な処理はクラウド経由では対応しにくい。第三に既存システムとの密結合——長年使ってきたレガシーシステムがクラウドへの移行コストを上回る場合だ。

コスト構造の違いを理解しておくと判断しやすい。オンプレミスは初期投資が大きく(CapEx主体)、その後の運用費は比較的安定している。クラウドは初期費用が小さいが月額費用(OpEx)が継続する。利用規模が大きく安定している場合、5〜7年スパンで見るとオンプレミスのほうが総コストが低くなることがある。

オンプレミスの最大の落とし穴はハードウェアの耐用年数だ。一般的にサーバーの寿命は5〜7年とされ、更新時期に大きな投資が発生する。クラウドへの移行を検討するなら、次のハードウェア更新タイミングが最もスムーズな移行の好機になる。

クラウドとオンプレミスを組み合わせたハイブリッド構成も実務では多い。機密データはオンプレミス、トラフィックが変動するWebサービスはクラウド、というように用途別に使い分ける設計が現代のインフラ設計の主流になっている。

よくある誤解

オンプレミスはクラウドより必ず安全というわけではない

自社管理というのはセキュリティの責任も自社が持つことを意味する。パッチ適用が遅れたり、物理的なアクセス管理が甘かったりすると、適切に管理されたクラウド環境より脆弱になることもある。

クラウドへの移行がオンプレミスより必ず安いとも言えない

移行コスト・再設計コスト・運用ノウハウの習得コストを含めると、オンプレミスを維持するほうがトータルで安い場面も存在する。TCO試算なしに「クラウドに移行すればコストが下がる」と結論付けるのは危険だ。

会話での使われ方

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サーバーの減価償却が終わるタイミングでクラウド移行を検討しています。5年間のTCO試算を作りますね。

年度末の情シス予算会議で担当者が上長に方針を報告している場面。

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個人情報のデータベースはオンプレのまま残して、フロントのWebサーバーだけクラウドに持っていく構成にします。

システムリニューアルの設計レビューでアーキテクトが構成方針を説明している場面。

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うちの工場ラインはミリ秒単位の制御が必要なのでクラウドは無理です。オンプレ一択ですね。

製造業の情シス担当者がクラウド勉強会で自社事情を説明している場面。

【まとめ】3つのポイント

  • 「自社で所有・管理する従来型のITインフラ」:オンプレミスはサーバーを自社に設置して管理する形態で、制御の完全性とカスタマイズ性が最大の強みだ
  • コスト構造の違いを理解して移行判断を:初期投資主体のオンプレミスと月額費用のクラウドは、規模と期間によって総コストが逆転する。TCO試算が判断の基本だ
  • ハードウェア更新タイミングが移行の最適な機会:次のサーバー買い替え時期を見据えてクラウド移行を計画するのが、最もコストロスを少なくできる現実的な戦略だ

よくある質問

Q
オンプレミスとクラウドの選び方の基準は何ですか?
A

データの機密性・レイテンシ要件・コスト・スケール変動の有無・運用体制の4軸で判断するのが基本です。機密データを外部に出せない・ミリ秒応答が必要・規模が安定しているという場合はオンプレミスが有力候補になります。

Q
オンプレミスはなくなりますか?
A

完全になくなることはないとみられています。金融・医療・官公庁・製造業など、クラウドが適さない特定領域では引き続き使われます。ただし新規システムはクラウド優先が主流で、オンプレミスの割合は年々縮小傾向にあります。

Q
オンプレミスの運用にはどんな人材が必要ですか?
A

サーバー構築・ネットワーク設計・OS管理・セキュリティ対応などのインフラエンジニアが必要です。クラウドに比べて必要なスキルセットが広く、特に中小企業では社内にリソースを確保しにくいことがクラウド移行の動機になることもあります。

Q
オンプレミスとハイブリッドクラウドの違いは何ですか?
A

オンプレミスは自社インフラのみで完結する形態です。ハイブリッドクラウドはオンプレミスとクラウドを組み合わせて使う形態です。機密データはオンプレ、変動負荷はクラウドというように使い分けることで両者の利点を活かせます。

【出典】参考URL

https://www.ntt.com/business/services/rink/knowledge/archive_75.html :オンプレミスとクラウドの違い
https://biz.kddi.com/content/column/smartwork/what-is-private-cloud/ :オンプレミスとハイブリッドクラウドの関係

コメント

「IT用語、難しすぎて心が折れそう……」という方のための、ハードル低めな用語辞典です。

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