データマイニングとは?大量データから宝を掘り出す分析手法

システム開発・テクノロジー
データマイニングとは?ざっくりと3行で
  • 大量のデータから統計・機械学習・AIを使って隠れたパターン・傾向・関連性を発見する分析手法のこと。「データを採掘する」という意味だ
  • 顧客の購買履歴から「一緒に買われやすい商品の組み合わせ」を発見したり、クレジットカードの異常な取引をリアルタイムで検知するといった幅広い場面で活用されている
  • 1990年代から使われ始めた概念で、AIやビッグデータの普及とともに重要性が増しており、マーケティング・金融・医療・製造業など多くの産業で競争力の源泉になっている

【深掘り】これだけ知ってればOK!

「ビール&おむつ」は有名なデータマイニングの発見事例だ。アメリカのスーパーで購買データを分析したところ、金曜の夕方にビールとおむつが一緒に購入される頻度が高いというパターンが発見された。父親が赤ちゃん用のおむつを買いに来てついでにビールも買っていたのだ。この発見をもとに商品配置を変えて売上が伸びたという逸話は、データマイニングの価値を象徴する事例として語り継がれている。

データマイニングの代表的な手法を見てみよう。アソシエーション分析(上記のビール&おむつのような同時購買パターン発見)・クラスタリング(顧客を性質ごとにグループ分け)・決定木(予測のための条件分岐ツリーの作成)・回帰分析(数値の予測)がよく使われる手法だ。

活用事例を業界別に見ると、小売業では購買履歴からのレコメンド・チャーン(解約)予測・在庫最適化、金融ではクレジットスコアリング・不正検知・ポートフォリオ最適化、医療では疾患の早期発見・治療効果予測・薬の副作用分析、製造では設備の予知保全・品質管理・サプライチェーン最適化といった応用がある。

データマイニングを行う前の「データの前処理(クレンジング・変換・正規化)」が全体工数の70〜80%を占めると言われている。質の低いデータからは意味のある知見は得られないため、いかに良質なデータを用意するかがデータマイニングの成否を決める最大の要因だ。

特定のパターンがデータで確認できても、「なぜそうなるか」という因果関係の解明はデータマイニングの仕事ではない。あくまで「AとBに関係がある」という相関関係を発見するツールで、「AだからBが起きる」という因果関係の解釈は人間が行う必要がある。

よくある誤解

データマイニングで因果関係がわかると思っている

データマイニングが見つけるのは相関関係(AとBが一緒に起きやすい)であって、因果関係(AがBを引き起こす)ではない。たとえばアイスクリームの売上と水難事故に相関があっても、アイスが原因で水難が起きるわけではなく、夏という共通要因があるだけだ。分析結果をビジネスに活用する際は因果と相関を混同しない注意が必要だ。

データ量さえあれば有用な知見が得られると思っている

データ量は重要だが、データの質・関連性・多様性も同様に重要だ。バイアスのかかったデータや偏ったサンプルからマイニングしても、実態とかけ離れた偏った結論しか得られない。データの収集設計から品質管理まで含めた「データ管理」全体の水準が、データマイニングの精度に直結する。

会話での使われ方

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購買データを分析したら「チョコとワインを一緒に買う顧客はリピート率が高い」というパターンが出ました。この層向けのギフトセット施策を検討しています。

マーケティングアナリストがデータマイニングの分析結果をもとに新施策を提案している場面。データから発見した購買パターンをビジネスに活用しようとしている。

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クレジットカードの不正検知モデルを更新したら、誤検知率が30%下がりました。新たなデータをモデルに追加して精度が上がりました。

金融機関のデータサイエンティストがモデル改善の成果を報告している場面。データマイニングが不正検知の精度向上に貢献した事例だ。

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製造ラインのセンサーデータをマイニングしたら、特定の温度パターンの後に不良品が出やすいことが分かりました。予知保全に活用できそうです。

製造業のエンジニアがIoTデータ分析の結果を品質管理チームに共有している場面。データマイニングで発見したパターンを設備管理に活かそうとしている。

【まとめ】3つのポイント

  • 相関と因果を区別して解釈する:データマイニングが発見するのは相関関係で因果関係ではない。「AとBが同時に起きやすい」という発見を「AがBを引き起こす」と誤解しないことが、分析結果をビジネスに正しく活かすための鉄則だ
  • 前処理の品質がマイニングの精度を左右する:データのクレンジング・変換・正規化がデータマイニング全体工数の70〜80%を占めるとも言われ、良質なデータを準備することが有用な知見を得るための最大の鍵になる
  • 小売・金融・医療・製造で競争力を左右する分析基盤:購買パターン発見・不正検知・疾患予測・予知保全といった多様な産業での応用が進んでおり、AIやビッグデータの普及とともにさらに重要性が増している

よくある質問

Q
データマイニングとビジネスインテリジェンス(BI)の違いは何ですか?
A

BIは主に過去のデータを集計・可視化して現状を把握するためのツールです。データマイニングは過去データからパターンや法則を発見して将来の予測や意思決定を支援することが目的です。BIが「何が起きているか」を教えるのに対し、データマイニングは「なぜ起きているか・何が起きるか」を探索するツールといえます。

Q
データマイニングを始めるにはどんなスキルが必要ですか?
A

統計学の基礎(平均・分散・相関係数など)、Pythonまたは R(pandasやscikit-learnなどのライブラリ)、SQLでのデータ抽出スキルが基本として求められます。業務ドメインの知識も同様に重要で、分析結果をビジネス価値に翻訳するためにはIT知識と業務知識の両方が必要です。

Q
Excelでデータマイニングはできますか?
A

基本的な分析(相関分析・クラスタリングの簡易版など)はExcelのPower QueryやPower Pivotでも可能ですが、大量データの処理や機械学習を用いた高度な分析には向いていません。本格的なデータマイニングにはPython(pandas・scikit-learn)・R・Tableauなどの専用ツールの活用が現実的です。

Q
データマイニングとディープラーニングはどう違いますか?
A

データマイニングは従来の統計手法・機械学習を使って人間が解釈しやすいパターンを発見する幅広い概念です。ディープラーニングはデータマイニングで使われる機械学習手法の一つで、多層のニューラルネットワークを使って画像認識・自然言語処理などで高い精度を発揮します。ディープラーニングはデータマイニングの強力な手段のひとつです。

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【出典】参考URL

https://www.salesforce.com/jp/blog/jp-data-mining/ :データマイニングの意味と手法(Salesforce)
https://ai-market.jp/purpose/datamining/ :データマイニングの手法と活用事例
https://jpn.nec.com/solution/dotdata/tips/data-mining/index.html :データマイニングの概要と成功のポイント(NEC)

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「IT用語、難しすぎて心が折れそう……」という方のための、ハードル低めな用語辞典です。

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