- AIで約1万ページを量産したが、インデックスされてもアクセスはほぼゼロだった
- 原因は404が3099件・重複1411件の低品質判定と、AI Overviewによる検索流入の消失だった
- 死んだサイトを延命せず、家計診断ツールへ全面的に方向転換した
AIを使えば、Webサイトは思い立った日に作れてしまいます。実際に私は、AIと一緒に約1万ページの不動産情報サイトを数週間で立ち上げました。
結論から言うと、そのサイトは失敗しました。インデックスは4450件あったのに、アクセスはほとんど来ませんでした。この記事は、その失敗の全記録です。
同じように「AIで量産すればアクセスを稼げるのでは」と考えている方に、何が起きたのか・なぜ失敗したのか・どう立て直したのかを、できるだけ正直に共有します。
そもそも何を作ろうとしたのか
作ろうとしたのは、全国の市区町村・駅エリアごとに治安や生活利便性がわかる不動産情報サイトでした。AIの登場でWebサイト運営は今後厳しくなる、だからこそ今のうちにアクセスを稼ぎたい、という思いがありました。
動機はシンプルでした。余っていたドメインがあり、Google AdSenseの審査にはすでに合格していたので、使わないのはもったいないと感じたのです。実体験ベースの記事を量産するのは大変なので、信頼できる情報源からデータを取得して、機械的にページを作る方針にしました。
データ集めには、駅データ.jpから路線・駅・接続駅のデータを、警視庁や各都道府県から犯罪データをダウンロードしました。正直、このデータ集めが一番大変でした。集めたデータを組み合わせれば、駅データだけで約1万ページは作れる計算でした。
最初は順調だった、はずだった
立ち上げ当初は、すべてが順調に見えました。AIに指示を出せば、思った通り・言った通りにコードが出てきて、ページがどんどん積み上がっていきました。
ただ、その「順調さ」は表面的なものでした。後から振り返ると、量産している最中に立ち止まってデータを確認していれば、もっと早く問題に気づけたはずでした。手を動かす爽快感が、検証をおろそかにさせていたのです。
AIとの共同作業でつまずいた瞬間
開発の過程では、AIならではのつまずきも多くありました。たとえば、消えたように見えたデータの正体を突き止めたり、全駅が同じ点数になっている異常に気づいたりと、AIの指摘に助けられた場面もありました。
一方で、AIが指示を読み違える場面も何度もありました。添付した画像で示したデザインを取り違える、勝手に項目を絞る、頼んでいないグラフを追加するなど、修正のやり取りが延々と続くこともありました。
決定的な気づき:このサイトは死んでいた
転換点は、Google Search Consoleのデータを直視したときでした。インデックスは4450件されているのに、まったくアクセスがない。この事実を見て、サイトを続ける意味を見失いました。
データを分析して判明したのは、想像以上に深刻な状態でした。表示回数は2026年4月以降、1日あたり10〜150回程度と壊滅的。さらにインデックスには、404エラーが3099件、重複ページが1411件、インデックス未登録が953件もありました。
つまりGoogleからは、404と重複だらけの低品質サイトと判定されていたわけです。スコアの更新もタイトルの修正も、すでに死んでいるサイトの上で続けていた作業だったという、皮肉な事実に直面しました。
なぜ量産型サイトは2026年に通用しなかったのか
失敗の構造的な理由は、2026年の検索環境の変化にありました。最大の要因は、検索結果に表示されるAI Overviewです。
AI Overviewは、検索結果の上部でAIが質問への答えを要約して表示します。その結果、「〇〇とは」「〇〇の方法」といった事実回答型のページは、AIが要約して終わりになり、ユーザーがサイトまで来なくなりました。私が作った「住みやすさ」を解説するページは、まさにこの直撃を受ける構造だったのです。
逆に生き残りやすいのは、購買意図の強いクエリ、体験や本音、そして「実際に使うツール」だと分かりました。ツール型のコンテンツはAIに要約されにくく、使うにはサイトに来る必要があるからです。
死んだサイトを捨て、まっさらにする決断
延命するより、データと技術だけを流用してテーマを刷新するほうが早い。そう判断し、思い切った決断をしました。
ドメインは費用面の理由から同じものを継続し、AdSenseの合格状態もそのまま維持しました。一方で、街・駅カルテ約1万ページはバックアップを取得した上で完全に削除しました。
残したのは、トップ・免責事項・プライバシーポリシー・お問い合わせの固定ページだけ。カルテ専用のプラグインもアンインストールし、サイトを文字通りまっさらな状態に戻しました。
方向転換の着地点:家計診断ツール
新しい方向として選んだのは、ユーザー自身の数字を入れて使う「家計診断ツール」でした。AI Overviewに要約されにくい、診断型のコンテンツです。
ここに至るまでにも、選定の段階で何度も方針を修正しました。最初は不動産の税金計算ツールを検討しましたが、横展開が見えにくい。相続をテーマにしようとしましたが、お金や法律に関わる領域は専門性が厳しく問われるため、知識が浅い個人には不向きだと判断して離脱しました。
最終的に、総務省の家計調査・消費者物価地域差指数という実在する公的データを使い、「あなたの支出は平均より高いか低いか」を診断するツールに着地しました。診断型なら、ユーザー自身の数字を入れる必然性があり、AIに代替されにくいと考えたからです。

失敗したサイトを丸ごと捨てるのは勇気がいりました。でもAIのおかげで、思い立ったその日に作り直せる。これは個人開発の大きな武器です。
ただ忘れてはいけないのは、AIは何でもやってくれるけれど、最終的な責任は自分にあるということ。今回の失敗も、AIに任せきりにして検証を怠った私自身の判断ミスでした。
その新しい着地点が、家計を見直し、暮らしを潤すをコンセプトにした無料の家計診断ツール、Urunifyです。総務省の公的データをもとに、あなたの支出が全国平均より高いか低いかを診断できます。これからコンテンツを増やしていく段階なので、よかったら使ってみてください。
この失敗から得た教訓のまとめ
今回の失敗を通じて、AIで量産する怖さと、それでもAIがもたらす機動力の両方を実感しました。最後に、同じ道を歩もうとしている方へ、要点を整理します。
- インデックス数は成果ではない。アクセスゼロの量産ページは、むしろ低品質判定の証拠になりうる
- 量産型ロングテールはAI時代に最も危険。事実回答ページはAI Overviewに要約され、サイトに人が来ない
- 死んだサイトを延命するより、データと技術を流用してテーマを刷新するほうが早い
- AIは何でもやってくれるが、責任は自分。任せきりにせず、最後は必ず自分の目で検証する
次のアクションとして、もし今あなたが量産型のサイトを運営しているなら、まずはGoogle Search Consoleで404・重複・表示回数を確認してみてください。感覚ではなくデータで見ることで、初めて見える事実があります。
- QAIで大量にページを作れば、アクセスは増えますか?
- A
ページ数の多さだけでアクセスは増えません。私の事例では4450ページがインデックスされても、アクセスはほぼゼロでした。むしろ重複や404が増えると、サイト全体が低品質と判定されるリスクがあります。
- QAI Overviewが表示されると、なぜアクセスが減るのですか?
- A
AIが検索結果の上部で答えを要約してしまうためです。とくに「〇〇とは」のような事実を答えるページは、ユーザーが要約を読むだけで満足し、サイトを訪れる理由がなくなります。診断ツールなど、ユーザー自身の操作が必要なコンテンツは影響を受けにくい傾向があります。
- Q失敗したサイトは、ドメインごと捨てるべきですか?
- A
必ずしも捨てる必要はありません。私の場合はAdSenseの合格状態を維持できたため、ドメインは継続し、中身のページだけを削除して刷新しました。ただし低品質ページが大量に残っていると評価に影響するため、不要なページの削除は検討すべきです。
- Q量産型SEOとツール型コンテンツの違いは何ですか?
- A
大きな違いは、AIに要約されて代替されるかどうかです。量産型SEOは事実を並べたページが多く、AI Overviewに要約されると訪問理由が消えます。一方ツール型コンテンツは、ユーザーが自分の数字を入力して使う必要があるため、AIだけでは完結せず、サイトへのアクセスが残りやすいのです。



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