亡き妻をAIで再現…医師が故人AIを利用する理由と「デジタルクローン」の倫理的タブー

テクノロジー・IT

「あなたがAIなどで『復活』させられることを許可するか?」との問いに、「YES」が36.8%、「NO」が63.2%。

このニュースは要するに
  • 医師の福田氏が故人AIで亡き妻を再現し、謝罪やグリーフケアに利用している
  • サービスは生前の画像・音声・エピソードを学習させ、会話や思い出話ができる
  • 日米調査で故人AIによる「復活」に否定的な意見が多く、法整備が急務である

技術の進化は早いですが、感情を扱う領域なので、規制が難しいテーマですね。

SNSの声

投稿内容は、あくまで投稿者個人の見解や意見です。

重要な情報については、単一の投稿を鵜呑みにせず、公的機関の発表や複数の報道機関など、異なる情報源からもご確認いただくことが大切です。

考察

故人AIサービスが急速に広がっている背景には、技術的な進歩だけでなく、人間の「後悔」や「準備なき別れ」が引き起こす強烈なグリーフケアのニーズが根底にあると考えられます。特に、心の準備期間がない「大切な人が突如いなくなった場合」のショックを和らげる手段として、AI対話が機能しているのですね。

しかし、この問題が社会的・倫理的な議論を呼ぶ主な原因は、AI技術の発展速度と、社会のルール、特に法律の制定速度が全くかみ合っていない点にあります。現行法では、故人AIを規制する法律がなく、肖像権も死亡により消滅してしまうため、たとえ本人が生前に「AI復活は嫌だ」と拒否していても、法的拘束力はありません。遺族が望めば生成することが可能という点は、技術の本質よりも、倫理的な空白が引き起こした結果です。

これは、誰もが運転できるようになった自動運転車の事故責任を、法律が定める前に市場に出してしまったような状態に近いと言えます。日本での調査で、否定派が最も懸念しているのが「本人の意思が確認できない」ことである点 は、この倫理的な空白地帯を埋めるために、「死後デジタル労働(D.E.A.D.)」のような生前の意思表示の仕組みの導入が急務であることを示唆しています。

技術の進歩に法と倫理が追いつかず、「本人の意思」が宙に浮いた結果です。

所感

故人AIをグリーフケアとして利用されている福田さんの心情を思うと、技術が心の傷の緩和に役立っている事実は無視できません。ただ、私がこの手の「デジタルヒューマン」のニュースに接するたびに感じるのは、それが本当に亡くなった方本人なのか、という技術的な本質の問いかけです。これは、生前のデータという「レシピ」を元に、AIがその人に”似たもの”を作り出しているという点で、やはりクローンでしかないと思うのです。

故人AIの利用が「執着が残ってしまうのではないか」という懸念 は、非常に的を射ている指摘だと感じました。遺影やアルバムを見る感覚と、応答があるAIとの対話では、残された人が現実に引き戻されるタイミングが大きく異なるのではないでしょうか。

AIの進化が早すぎるため、10秒程度の情報ですぐに故人AIが作れてしまう未来はすぐそこに来ています。臓器提供カードを例に出すまでもなく、法整備には時間がかかるため、技術者として、この問題に光を当て続けることが、社会的な責任だと考えています。

AIが個人の心のケアに深く関わる時代、デジタルな終活が必須になりそうです。

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