PSMとは?価格の許容範囲を調査するPSM分析の手法

マーケティング・戦略
PSMとは?ざっくりと3行で
  • Price Sensitivity Meter(価格感度メーター)の略で、消費者が製品・サービスに対して感じる「高すぎる・安すぎる・妥当」な価格帯を4つの質問で測定する価格調査手法のこと
  • 新製品の価格設定・価格改定・競合との価格比較の際に消費者視点の許容価格帯(アクセプタブルレンジ)を定量的に把握することで根拠のある価格設定が可能になる
  • 1976年にオランダの市場調査者ヤン・ウエステンドルプが開発した手法で、コスト積み上げではなく顧客の価値認識から価格を決める「バリューベース・プライシング」の実践ツールとして広く使われている

【深掘り】これだけ知ってればOK!

PSM分析の4つの質問を理解しよう。Q1(高すぎる):「この価格だと高すぎて購入しない」と感じる価格はいくらですか?Q2(安すぎる):「この価格だと安すぎて品質が心配」と感じる価格はいくらですか?Q3(やや高い):「少し高めだが購入を検討する」価格はいくらですか?Q4(お得):「お得感があり迷わず購入する」価格はいくらですか?この4問の回答を累積グラフにプロットして交点を分析する。

PSM分析の結果から得られる4つの指標を理解しよう。PMC(最低受容価格):安すぎると感じない下限。OPP(最適価格点):安すぎる・高すぎる両方の回答が最小になる点(抵抗感最小)。IDP(無差別価格点):やや高い・お得の回答が交差する点(最も自然な価格帯)。PMX(最高受容価格):高すぎると感じない上限。PMCとPMXの間が「アクセプタブルレンジ(許容価格帯)」だ。

PSM分析の限界を理解しておくことも重要だ。PSMは「仮想の価格への反応」を調査するため、実際の購買行動と異なることがある。競合製品の存在・ブランド認知・購買文脈が価格許容度に影響するため、PSM単体で価格を決めるのではなくコスト・競合・市場規模の分析と組み合わせることが推奨される。

SaaSや定期購読サービスの価格設定でPSM分析は特に有効だ。月額料金・年額料金の設定に際して、ターゲットセグメント(中小企業・大企業・個人)ごとにPSM調査を行うことで、それぞれのセグメントに最適な価格帯を把握できる。フリーミアムモデルの有料プランの価格設定にもPSM分析が活用される。

PSM分析の実施はGoogleフォーム・SurveyMonkey・Typeformなどのアンケートツールで比較的容易に行える。最低100〜200サンプルを収集してExcelやPythonで累積グラフを作成し、4つの交点を算出する。調査対象をターゲット顧客層に絞ることが精度の高い結果につながる。

よくある誤解

PSMはコストに関係なく消費者の言う価格で設定すべきということだと思っている

PSMは消費者の価値認識から許容価格帯を把握するツールだ。ただし最低受容価格がコストを下回るならビジネスとして成立しない。PSMで把握した許容価格帯の中でコスト・競合・利益目標を考慮した上で最適な価格を設定することが正しい使い方だ。

PSM分析は新製品だけに使うものだと思っている

既存製品の値上げ・価格体系の変更・新しい価格プランの設計にも活用できる。既存ユーザーと見込み顧客それぞれにPSM調査を行って価格許容度の差を把握することで、値上げの影響を事前に定量的に評価できる。

会話での使われ方

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新サービスの価格設定でPSM分析をやってみました。アクセプタブルレンジが月額3,000円〜8,000円で、IDPが5,000円という結果でした。

プロダクトマネージャーがPSM分析の結果をチームに報告して価格設定の根拠として活用している場面。

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競合が値下げしてきたので、我々の価格が顧客にとって高すぎると感じられていないか、PSM分析で再調査する必要があります。

マーケティングマネージャーが競合の価格変動に対応するためにPSM調査の実施を提案している場面。

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フリープランから有料プランへのアップグレード率が低い原因として、有料プランの価格がPMXを超えている可能性があります。PSM分析で確認しましょう。

SaaSプロダクトのグロースマネージャーが有料転換率の低さをPSM分析で診断することを提案している場面。

【まとめ】3つのポイント

  • 消費者の価格許容帯を4問の質問で定量的に把握する価格調査手法:高すぎる・安すぎる・やや高い・お得の4問の回答からアクセプタブルレンジと最適価格点を算出して根拠のある価格設定の基盤を作れる
  • OPP・IDP・PMC・PMXの4指標で許容価格帯の全体像を把握:最低受容価格(PMC)から最高受容価格(PMX)のアクセプタブルレンジと最適価格点を把握することで価格設定に顧客視点の定量的根拠を持てる
  • コスト・競合・PSM分析を組み合わせた価格設定が最適解:PSM単体で価格を決めるのではなくコスト積み上げ・競合価格・市場規模の分析と組み合わせてアクセプタブルレンジの中で事業として成立する価格を設定することが重要だ

よくある質問

Q
PSM分析はどうやって実施すればいいですか?
A

GoogleフォームやSurveyMonkeyで4つの質問のアンケートを作成し、ターゲット顧客100〜200名に回答してもらいます。回答をExcelやPythonで集計して各質問の累積回答割合をグラフにプロットし、4つの交点を求めます。

Q
PSM分析のサンプル数はどのくらい必要ですか?
A

最低100サンプル、信頼性を高めるには200〜300サンプルが推奨されます。BtoBなど対象顧客が少ない場合は30〜50サンプルでも参考にできますが精度は下がります。

Q
OPPとIDPはどちらを価格設定の基準にすればいいですか?
A

一般的にIDPをベースに検討することが多いです。IDPは顧客が最も自然に受け入れる価格帯を示します。OPPは価格抵抗が最小の点で、より保守的な価格設定をしたい場合に参考にします。

Q
PSMとコンジョイント分析はどう違いますか?
A

PSMは価格単独の許容範囲を調査します。コンジョイント分析は複数の属性(価格・機能・ブランドなど)を組み合わせた選好を分析するより複雑な手法です。PSMは実施が簡単でコンジョイント分析はより詳細な価値分析が可能です。

【出典】参考URL

https://www.qualtrics.com/experience-management/product/price-sensitivity-meter/ :Qualtricsによるpsm分析の解説
https://www.surveysparrow.com/blog/van-westendorp-price-sensitivity-meter/ :PSM分析(ウエステンドルプ法)の詳細解説

:カオナビ「PSM分析とは」

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