BaaSとは?モバイルアプリ開発を加速するバックエンドサービスを解説

システム開発・テクノロジー
BaaSとは?ざっくりと3行で
  • Backend as a Serviceの略(読み:ベース)。モバイル・Webアプリ開発に必要なバックエンド機能をクラウドで提供するサービスだ
  • ユーザー認証・データベース・プッシュ通知・ファイルストレージといった定番バックエンド機能をゼロから自作する必要がなくなる。開発者はUIと独自ロジックだけに集中できる
  • Googleが提供するFirebaseが最も有名。個人開発者からスタートアップまで、フロントエンドエンジニアがバックエンド知識なしにサービスをリリースする際の定番ツールとなっている

【深掘り】これだけ知ってればOK!

BaaSはもともとMBaaS(Mobile Backend as a Service)と呼ばれていた。スマートフォンアプリの爆発的普及期(2010年代初頭)に、モバイル開発者がバックエンドを素早く構築できるよう生まれた概念だ。現在ではWeb・モバイル問わず広くBaaSと総称される。

BaaSが解決する問題は明確だ。認証機能を自前で実装するとなると、パスワードのハッシュ化・トークン管理・セッション制御・ソーシャルログイン連携など、セキュリティに直結する複雑な実装が必要になる。Firebaseを使えばこれが数行のコードと設定で完成する。

Firebaseの機能群を見ると、BaaSが何を提供するかが具体的に分かる。Authentication(認証)・Firestore(NoSQLデータベース)・Storage(ファイル)・Cloud Messaging(プッシュ通知)・Hosting(静的サイト)・Analytics(分析)が主要機能だ。これらをAPIで呼び出すだけで本番品質のアプリを構築できる。

Firebaseの料金はSpark(無料)・Blaze(従量課金)の2プランだが、Realtime DatabaseやFirestoreの読み書き数が急増すると予想外の請求が発生することがある。リリース直後にサービスがバズった際の請求額ショックは個人開発あるある。Blazeプランには予算アラートを必ず設定しておくことを推奨する。

BaaSには複数の意味があるため注意が必要だ。Banking as a Service(金融サービスのAPI提供)とBackup as a Service(バックアップのクラウド提供)もBaaSと略される。文脈でどのBaaSを指すかを確認することが、会議での誤解を防ぐポイントだ。

よくある誤解

BaaSを使えばバックエンド開発が完全に不要になるわけではない

BaaSが提供するのは汎用的なバックエンド機能だ。独自のビジネスロジック・外部API連携・複雑なデータ処理はBaaSでは対応できず、別途Cloud FunctionsなどのFaaSや独自サーバーが必要になる。

Firebaseに依存しすぎると移行コストが高くなる

Firebase固有のSDKやデータ構造に深く依存したコードを書くと、他のサービスへの移行や自前バックエンドへの切り替えが困難になる。スケールが見えてきた段階で設計を見直す視点を持っておくべきだ。

会話での使われ方

ITKAGYO運営者のアイコン画像

個人開発でFirebase使ってるんですが、認証もDBも通知も全部Firebaseで完結するの本当に楽です。バックエンド書かなくていいって革命的。

技術系勉強会の懇親会で、個人開発者が他の参加者にFirebaseの便利さを熱く語っている場面。

ITKAGYO運営者のアイコン画像

プロトタイプはBaaSで爆速で作って、PMFが取れてからスケールに合わせてアーキテクチャを見直す方針です。

スタートアップのCTOがピッチ後のQ&Aで技術選定の方針を説明している場面。

ITKAGYO運営者のアイコン画像

FirebaseのBlazeプランで従量課金にしてるんですが、予算アラート設定してないと怖いですよね。先月ちょっとバズって請求見てびっくりしました。

Slackの開発チャンネルで、個人開発者が苦い経験をシェアしている場面。

【まとめ】3つのポイント

  • 「バックエンドの定番機能がAPIで即使える」:認証・DB・通知・ストレージといった自作コストの高い機能をクラウドが提供するため、フロントエンド開発者でもサービスをリリースできる
  • 開発速度を最大化する代わりにベンダー依存が生まれる:Firebase固有の仕組みに深く依存する前に、将来のスケール時の移行コストを意識した設計を心がけることが重要だ
  • 従量課金の予算管理を忘れると痛い目に合う:アクセスが急増したときの料金上限設定と予算アラートは、BaaS利用開始時の必須設定項目だ

よくある質問

Q
BaaSの代表的なサービスは何ですか?
A

Googleが提供するFirebaseが最も普及しています。他にAWS Amplify・Supabase・AppWrite・Back4Appなどがあります。SupabaseはFirebaseの代替としてオープンソースで人気が高まっています。

Q
BaaSは個人開発にも使えますか?
A

個人開発との相性は非常に良いです。Firebaseは無料枠が充実しており、小規模サービスなら費用ゼロで本番稼働できます。認証・DB・ホスティングまで1つのプラットフォームで完結するため、ひとりで素早くサービスをリリースしたい場合に最適です。

Q
BaaSとFaaSは何が違いますか?
A

BaaSはデータベースや認証などの機能をAPIで提供するサービスです。FaaSは任意のコードをイベント駆動で実行する基盤です。FirebaseはBaaSですが、バックエンドロジックが必要な部分にCloud Functions(FaaS)を組み合わせて使うのが典型的なパターンです。

Q
BaaSとPaaSの違いは何ですか?
A

PaaSはアプリケーション全体を動かす開発基盤を提供します。BaaSはアプリに組み込む特定の機能(認証・DB・通知など)をAPIで提供します。粒度が異なり、BaaSのほうがより特定用途に特化した形です。

この用語と一緒に知っておきたい用語

用語この記事との関連
データ本記事のテーマと実務上セットで使われることが多い用語です。コンピュータが処理する数値や文字、画像といった事実や資料そのもの、それがデータだ
FaaSFaaSとの関係を知ると全体像がつかみやすくなります。Function as a Serviceの略。関数(Function)単位でコードをクラウドに置き、イベント発生時だけ実行するクラウドサービスの利用形態だ
データベースデータベースは関連分野でよく登場する重要キーワードです。データを効率よく蓄積・検索・更新・削除できるよう構造化して管理する仕組みの総称。専用エンジンを持ち大量データを高速操作できる
アイコンアイコンを押さえると本記事の理解がさらに深まります。アプリやファイル、操作ボタンなどをひと目でわかる小さな絵で表したもの、それがアイコンだ
ストレージストレージとの関係を知ると全体像がつかみやすくなります。データを永続的に保存・記憶するための装置や仕組みの総称。記憶媒体・記憶装置とも呼ばれ、電源を切ってもデータが消えない永続的な記憶領域を指す

【出典】参考URL

https://slack.com/intl/ja-jp/blog/transformation/what-are-the-features-of-saas :BaaSを含むXaaS解説
https://ferret-plus.com/11981 :BaaSの概要説明

コメント

「IT用語、難しすぎて心が折れそう……」という方のための、ハードル低めな用語辞典です。

情報レベルは「基礎中の基礎」。会話を止めないためのエッセンスだけを抽出しています。分かりやすさを追求するあまり、時々例え話が暴走しているかもしれませんが、そこは「ほどよく」聞き流していただけると幸いです。
ほどよくIT用語辞典システム開発・テクノロジー
デプロイ太郎のSNSを見てみる!!