IPsecとは?通信を暗号化する仕組みを解説

システム開発・テクノロジー
IPsecとは?ざっくりと3行で
  • インターネットを流れるデータを暗号化し、盗み見や改ざんから守る通信を安全にする取り決め、それがIPsecだ
  • 通信そのものを丸ごと保護するため、拠点間を安全につなぐVPNの土台として広く使われている
  • この仕組みの役割がわかると、離れた拠点や在宅勤務の通信がどう守られているのか、その裏側が見えてくる

【深掘り】これだけ知ってればOK!

インターネットは、もともと通信内容を守る仕組みを前提に設計されていませんでした。IPsecは、その素のままでは無防備な通信に、後から安全性を足すために生まれた仕組みです。

インターネットを流れるデータは、何もしなければ、途中の経路で盗み見られたり書き換えられたりする恐れがあります。はがきを送るようなもので、配達の途中で誰かに中身を読まれかねません。IPsecは、この通信を封筒に入れて封をする役割を果たします。データを暗号化して中身を読めなくし、さらに途中で改ざんされていないかも確認できるようにする——通信そのものを丸ごと守るのが、この仕組みの本質です。

IPsecが広く知られるのは、拠点間VPNの土台としての役割からです。本社と支社、あるいは在宅勤務者と社内ネットワークを、インターネット越しに安全につなぐ際に使われます。公衆のインターネットを通っていても、IPsecで保護された通信は、まるで専用の安全な通路を通っているかのように扱えます。離れた場所を一つのネットワークのように結ぶ、その安全性の根幹を担っているのです。

IPsecは通信のIPという階層で働くため、その上で動くアプリを選びません。Webでもメールでも、アプリ側が特別な対応をしなくても、流れる通信をまとめて保護できるのが強みです。

IPsecと並んでよく聞くのがSSLという仕組みですが、両者は守る範囲が異なります。SSLは主にWebサイトとの個別の通信を守るのに対し、IPsecは通信経路そのものを丸ごと保護します。在宅勤務で社内システム全体に安全に接続したいならIPsec型、特定のWebサービスとのやり取りを守るならSSL型、というように、目的に応じて使い分けられています。どちらが優れているという話ではなく、役割の違いだと捉えるのが正確です。

よくある誤解

IPsecとVPNはまったく同じものではない

IPsecをVPNそのものだと思う方がいますが、正確には違います。VPNは安全な通信路を作る仕組みの総称で、IPsecはそれを実現する代表的な技術の一つです。VPNという目的に対し、IPsecは有力な手段、という関係になります。他の方式でVPNを作ることもできます。

設定すれば何でも安全になるわけではない

IPsecを導入すればすべての危険から守られると考えるのは過信です。守れるのはあくまで通信経路の途中であり、送り先の端末が乗っ取られていれば意味がありません。通信の保護は守りの一部であって、端末や認証の管理と組み合わせて初めて効果を発揮します。

会話での使われ方

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支社とのやり取りはIPsecのVPNで暗号化してるから、インターネット越しでも盗み見の心配はないよ。

インフラ担当の先輩が、ネットワーク構成を後輩に説明している場面。

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在宅勤務の通信って、IPsecで守られてるんですね。だから社内システムに安全につなげるわけですか。

新人が、テレワークの仕組みについて先輩に確認しているやり取り。

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拠点間の通信は、引き続きIPsecで保護する方針を維持したいです。ただし端末側の認証強化と組み合わせ、通信だけに頼らない多層的な守りを提案します。

ネットワーク責任者が、セキュリティ方針の見直し会議で説明している場面。

【まとめ】3つのポイント

  • 通信を暗号化して守る仕組み:インターネットを流れるデータを暗号化し、盗み見や改ざんから保護する通信の取り決めです。
  • 拠点間VPNの土台:本社と支社、在宅勤務者と社内を安全につなぐVPNの根幹を担い、公衆網を専用通路のように扱えます。
  • SSLとは守る範囲が違う:SSLが個別のWeb通信を守るのに対し、IPsecは通信経路そのものを丸ごと保護します。役割の違いです。

よくある質問

Q
IPsecは何を守ってくれるのですか?
A

インターネットを流れる通信データを暗号化し、第三者による盗み見を防ぎます。さらに、途中でデータが改ざんされていないかも確認できます。通信そのものを封筒に入れて封をするように、丸ごと保護するのが役割です。

Q
IPsecとSSLはどちらを使えばいいですか?
A

目的によります。在宅勤務で社内ネットワーク全体に安全につなぎたいならIPsec型のVPN、特定のWebサービスとのやり取りを守りたいならSSL型が適しています。守る範囲が経路全体か個別通信かで使い分けます。

Q
IPsecを使うと通信は遅くなりますか?
A

暗号化と復号の処理が加わるため、わずかに速度へ影響することはあります。ただし近年の機器は処理能力が高く、通常の業務利用で体感できるほどの遅さになることは多くありません。安全性の対価としては小さい負担です。

Q
IPsecとVPNの違いは何ですか?
A

VPNが安全な通信路を作る仕組みの総称なのに対し、IPsecはそれを実現する代表的な技術の一つです。VPNという目的に対して、IPsecは有力な手段という関係で、他の方式でVPNを構築することもできます。

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【出典】参考URL

https://www.ipa.go.jp/ :通信の暗号化とVPNの参考
https://www.nisc.go.jp/ :暗号化通信の指針の参考
https://e-words.jp/ :IPsec・VPNの用語定義の参考

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