パブリッククラウドとは?すぐ使えるクラウドの基本形を解説

システム開発・テクノロジー
パブリッククラウドとは?ざっくりと3行で
  • AWSやAzure・GCPのようにインターネット経由で誰でも使えるクラウドサービスの形態。クラウドと言えば多くの場合このパブリッククラウドを指す
  • サーバーはクラウドベンダーが所有・管理し、複数のユーザーが論理的に分離された状態で物理インフラを共有するマルチテナント構造が基本だ
  • 圧倒的な低コストでの導入・秒単位のスケール・世界中のリージョンからの利用が可能で、スタートアップから大企業まで現代のITインフラの主役となっている

【深掘り】これだけ知ってればOK!

パブリッククラウドの台頭を象徴する数字がある。AWSは2006年のサービス開始から約20年で年間売上10兆円超の事業に成長した。それ以前は「サーバーは買うもの」という常識が支配的だったが、AWSがその常識を根底から覆した。

パブリッククラウドの仕組みを理解するキーワードはマルチテナントだ。1棟のマンションの各部屋に別々の入居者が住むように、同じ物理サーバー上に複数のユーザーが論理的に隔離された状態で同居している。この共有モデルがコストの大幅削減を可能にしている。

代表的な3大パブリッククラウドの特徴を押さえておこう。AWSはサービス数200以上・世界最大のシェアを持ち、選択肢の豊富さが強み。AzureはMicrosoft製品(Office365・Active Directory)との統合に優れ、既存のWindows環境を持つ企業に馴染みやすい。GCPはBigQuery・Vertex AIなどデータ分析とAI/ML領域で特に高い評価を受けている。

パブリッククラウドを使う上で必ず理解すべきが責任共有モデルだ。クラウドベンダーはデータセンター・物理サーバー・仮想化レイヤーを管理するが、その上に乗せるOSの設定・ネットワークのセキュリティグループ・IAM権限設定は利用者の責任だ。ここを誤解すると設定ミスによる情報漏洩が起きる。

コスト面での最大の特徴は従量課金と初期投資ゼロだ。必要なときに必要な分だけ使い、使った分だけ払う。これによりサービスの初期費用が劇的に下がり、新規サービスの立ち上げリスクが大幅に低減した。ただしリソースの管理を怠ると使っていないサーバーやストレージへの課金が積み上がるため、定期的なコスト最適化が欠かせない。

よくある誤解

パブリッククラウドは無条件に安いわけではない

使いっぱなしで最適化しないと、オンプレミスより高くなることがある。リザーブドインスタンス・スポットインスタンス・Auto Scalingの活用と、不要リソースの定期棚卸しが必要だ。

論理的な分離が物理的な専有を意味しない

マルチテナント構造のため、同じ物理サーバーに他社の仮想マシンが同居している。「クラウドなら他社に情報が見られない」は論理的には正しいが、セキュリティグループや暗号化の設定を誤ると他のテナントからではなくインターネットからアクセスされるリスクが生まれる。

会話での使われ方

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新サービスのインフラはパブリッククラウドで。初期投資ゼロで始められて、スケールも自動です。

新規事業の立ち上げMTGで、CTOがインフラ方針を一言で説明している場面。

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AWS無料枠って12か月間なんですよね?その後の料金体系を先に確認しておかないとびっくりしますよ。

クラウド初心者の同僚に、経験者がコスト管理の落とし穴を教えている場面。

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責任共有モデルって、要はOSから上は自分たちが管理するってことですよね。セキュリティグループの設定ミスが一番怖いです。

クラウドセキュリティ研修でエンジニアが学びをアウトプットしている場面。

パブリッククラウドの歴史

パブリッククラウドの歴史はAWSの登場から始まる。この20年の変遷を追うとクラウドが世界のITをどう変えたかが見えてくる。

出来事
2006年AmazonがAWS(S3・EC2)を一般公開。「サーバーを借りる」という新しいモデルが始まった。
2008年GoogleがGoogle App Engineを発表。MicrosoftもAzureのプレビューを開始。
2010年Microsoft Azureが正式リリース。三大クラウドの競争が本格化。
2013年DockerとKubernetesが登場し、コンテナとクラウドの組み合わせが標準化へ。
2020年コロナ禍でリモートワーク需要が爆発。AWSの売上が急拡大し年間450億ドル超に。
現在AWSがシェア約31%で首位を維持。Azure・GCPが追随し三社合計で市場の70%以上を占める。

【まとめ】3つのポイント

  • 「初期投資ゼロで秒単位にスケールできる現代インフラの標準形」:パブリッククラウドは誰でも使えるインターネット経由のクラウドサービスで、従量課金と自動スケールが最大の強みだ
  • 責任共有モデルの理解がセキュリティ事故を防ぐ:OSから上の設定管理は利用者の責任。セキュリティグループ・IAM権限・暗号化を正しく設定することがクラウド利用の基本だ
  • コスト最適化は継続的な取り組みが必要:使いっぱなしのリソースが積み上がるとオンプレより高くなる。定期的な棚卸しとリザーブドインスタンス活用がコスト管理の要だ

よくある質問

Q
パブリッククラウドの三大サービスの選び方は?
A

既存システムやMicrosoft製品との親和性ならAzure、データ分析・AIが中心ならGCP、最大のエコシステムと実績を求めるならAWSが基本的な判断軸です。無料枠で実際に試してから決めるのが最も確実です。

Q
パブリッククラウドのセキュリティは信頼できますか?
A

適切に設定すれば、多くの場合オンプレミスより高いセキュリティ水準を実現できます。AWSやAzureはISO27001・SOC2・PCI DSSなどの第三者認証を多数取得しており、物理セキュリティはエンタープライズ以上の基準で管理されています。問題の多くは設定ミスに起因します。

Q
無料で使えるパブリッククラウドサービスはありますか?
A

AWS・Azure・GCPはいずれも無料枠を提供しています。AWSは12か月間の無料利用枠と永続的な無料利用枠があります。Azure・GCPも同様の無料枠があり、学習・プロトタイプ・個人開発では費用ゼロで使える範囲が広くなっています。

Q
パブリッククラウドとプライベートクラウドの違いは何ですか?
A

パブリッククラウドは複数の組織が物理インフラを共有する形態で、初期コストが低くスケールが容易です。プライベートクラウドは特定組織だけが使う専用環境で、セキュリティと制御性が高い代わりに初期コストと運用コストが高くなります。

【出典】参考URL

https://azure.microsoft.com/ja-jp/resources/cloud-computing-dictionary/what-are-private-public-hybrid-clouds :パブリック・プライベート・ハイブリッドクラウドの比較
https://www.ibm.com/jp-ja/think/topics/public-cloud-vs-private-cloud-vs-hybrid-cloud :クラウド形態の詳細比較

コメント

「IT用語、難しすぎて心が折れそう……」という方のための、ハードル低めな用語辞典です。

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