ゼロトラストとは?何も信頼しない防御を解説

システム開発・テクノロジー
ゼロトラストとは?ざっくりと3行で
  • 社内だから安全という前提を捨て、あらゆるアクセスをその都度信頼せずに検証するという防御の考え方、それがゼロトラストだ
  • 一度通したら中は自由、ではなく、誰が・どの端末で・何にアクセスするかを毎回確かめることで守りを固める
  • この発想がわかると、テレワークやクラウドが当たり前になった今、なぜ従来の守り方では足りないのかが見えてくる

【深掘り】これだけ知ってればOK!

ゼロトラストという名前は、何も信頼しないという意味です。一見すると過激ですが、社内ネットワークすら無条件には信じないという徹底ぶりが、この考え方の核心になっています。

従来のセキュリティは、社内と社外の間に壁を築く境界防御が主流でした。城の周りに堀を巡らせ、門さえ守れば中は安全、という発想です。ところが、テレワークやクラウドの普及で、守るべきものが城の外に散らばりました。一度中に入った者が悪意を持っていたら、内部は無防備です。この限界を踏まえ、内も外も区別せずすべてを疑う——ゼロトラストはそうした転換から生まれました。

ゼロトラストを支えるのが、都度の検証という原則です。利用者の本人確認、使っている端末の安全性、アクセスしようとする対象の妥当性を、その都度確かめます。しかも一度きりではなく、状況が変わるたびに繰り返します。普段と違う場所からの接続や、見慣れない端末からの要求には、追加の確認を求める——こうした絶え間ない検証の積み重ねが、守りの土台になります。

ゼロトラストは特定の製品を一つ入れれば完成するものではありません。本人確認の強化、権限の最小化、通信の監視など、複数の仕組みを組み合わせて少しずつ近づけていく、設計思想そのものだと捉える必要があります。

移行には、利便性とのバランスという現実的な課題が伴います。検証を厳しくするほど安全になりますが、そのたびに利用者の手間が増えれば業務が滞ります。そこで、リスクの低い通常のアクセスはなめらかに通し、不審な兆候があるときだけ確認を強める、といった工夫がとられます。守りを固めつつ日々の業務を妨げない——この接点を探ることが、導入の成否を分ける鍵になるでしょう。

よくある誤解

製品を導入すれば完成するわけではない

ゼロトラスト対応をうたう製品を一つ買えば実現できると考えるのは誤解です。これは特定のツールではなく、すべてを疑い検証するという設計思想です。本人確認、権限管理、監視など複数の仕組みを組み合わせ、段階的に近づけていくものだと理解する必要があります。

社内ネットワークが危険だという話ではない

何も信頼しないと聞くと、社内を危険視する後ろ向きな発想に思えるかもしれません。しかし狙いは、安全だと思い込む油断をなくすことにあります。実際、内部からの不正や、侵入後に内部で広がる被害は無視できません。前提を疑うことが、かえって現実的な守りにつながります。

会話での使われ方

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うちもテレワーク増えたし、そろそろゼロトラストの考え方に移行したいね。境界防御だけじゃ守りきれないよ。

情報システム部のリーダーが、今後の方針をメンバーと話し合っている場面。

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ゼロトラストって製品名だと思ってましたけど、考え方のことだったんですね。一つ入れれば終わりじゃないと。

新人が、用語の理解を先輩との会話で改めているやり取り。

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クラウド利用の拡大に合わせ、ゼロトラストを基本方針に据えることを提案します。本人確認の強化と権限の最小化から段階的に進める計画です。

セキュリティ責任者が、中期のIT戦略を経営会議で説明している場面。

【まとめ】3つのポイント

  • すべてを疑い検証する発想:社内外を問わずあらゆるアクセスを無条件には信頼せず、その都度検証して守りを固める設計思想です。
  • 境界防御の限界から生まれた:壁の中は安全という従来型は、テレワークやクラウドの普及で限界に。内も外も区別せず疑う発想へ転換しました。
  • 思想であり段階的に近づくもの:一つの製品で完成はしません。本人確認や権限最小化など複数の仕組みを組み合わせ、少しずつ実現します。

よくある質問

Q
ゼロトラストと従来の境界防御は何が違うのですか?
A

境界防御が社内と社外の間に壁を築き、中に入れば信頼する考え方なのに対し、ゼロトラストは内も外も区別せず、すべてのアクセスを都度検証します。一度通せば自由か、毎回確かめるか、という前提の違いがあります。

Q
ゼロトラストはどうやって実現するのですか?
A

本人確認の強化、権限の最小化、端末の安全性チェック、通信の監視といった複数の仕組みを組み合わせて実現します。特定の製品を一つ入れれば完成するものではなく、設計思想として段階的に近づけていくものです。

Q
中小企業でもゼロトラストは必要ですか?
A

テレワークやクラウドサービスを使うなら、規模を問わず考え方は有効です。すべてを一度に実現する必要はなく、まず本人確認の強化など、できるところから取り入れるだけでも守りは着実に高まります。

Q
ゼロトラストと最小権限の原則の違いは何ですか?
A

最小権限が与える権限を必要最小限にするという個別の原則なのに対し、ゼロトラストはすべてのアクセスを信頼せず検証するという全体の設計思想です。ゼロトラストを実現する要素の一つとして、最小権限が組み込まれる関係です。

この用語と一緒に知っておきたい用語

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【出典】参考URL

https://www.ipa.go.jp/ :ゼロトラストの考え方の参考
https://www.nisc.go.jp/ :ゼロトラストアーキテクチャの指針の参考
https://e-words.jp/ :ゼロトラスト・境界防御の用語定義の参考

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「IT用語、難しすぎて心が折れそう……」という方のための、ハードル低めな用語辞典です。

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