- 特定の組織だけが使う専用のクラウド環境。パブリッククラウドのような利便性を持ちながら、他社と設備を共有しないため高いセキュリティと制御性を確保できる
- 自社データセンターに構築するオンプレミス型と、クラウドベンダーが専用環境を提供するホステッド型の2形態がある
- 初期コストと運用コストが高いため大企業・金融・官公庁での採用が主流。厳格なコンプライアンス要件がある組織にとっては現実的な選択肢だ
【深掘り】これだけ知ってればOK!
プライベートクラウドが選ばれる最大の理由はデータの完全な所有権だ。パブリッククラウドは論理的には分離されているが、物理インフラは他社と共有している。プライベートクラウドは物理レベルで専用化されるため、金融の個人口座情報・医療の電子カルテ・官公庁の機密情報など外部に出せないデータの管理に適している。
実装方法は主に2種類ある。オンプレミス型は自社データセンターにサーバーを設置してOpenStackなどで仮想化する形で、最もコントロール性が高い。ホステッド型(専有型クラウド)はAWSの専用ハードウェア環境(Dedicated Hosts)やNTTコミュニケーションズなどが提供する専用環境を借りる形で、インフラ管理をベンダーに任せつつ専用性を確保できる。
近年はプライベートクラウドとパブリッククラウドの境界が曖昧になりつつある。AWSのOutpostsやAzure StackはパブリッククラウドのAPI互換でオンプレミスに設置できるハードウェアを提供しており、「パブリッククラウドの使いやすさ+プライベートの隔離性」を両立する新たな選択肢が増えている。
よくある誤解
プライベートクラウドはオンプレミスと同じではない
オンプレミスは従来型の固定サーバー運用だ。プライベートクラウドは仮想化・セルフサービス・弾力的なリソース割り当てというクラウドの特性を持ちながら専用環境で動かす点が異なる。仮想化されているかどうかが区別のポイントだ。
プライベートクラウドは必ずしも最もセキュアというわけではない
専用環境であること自体はセキュリティを保証しない。適切なアクセス管理・パッチ適用・監視体制を維持することが前提だ。管理が行き届いていないプライベートクラウドより、適切に管理されたパブリッククラウドのほうが安全なケースもある。
会話での使われ方

顧客の個人情報はコンプライアンス上パブリッククラウドに置けないので、プライベートクラウドを維持するしかないんですよね。
金融系SIerのエンジニアが要件整理ミーティングで制約を説明している場面。




OpenStackで構築したプライベートクラウドの運用が属人化してて困ってます。
社内インフラチームのミーティングで、エンジニアが課題を共有している場面。




AWS OutpostsでAWS APIのままオンプレに置けるので、パブリッククラウドとプライベートの二重管理が不要になりますよ。
ベンダーのSEが顧客企業にソリューションを提案している場面。
【まとめ】3つのポイント
- 「自社専用のクラウドでデータの完全所有権を確保する」:プライベートクラウドは物理レベルで専用化された環境を使うため、機密データの管理とコンプライアンス要件に対応しやすい
- 高コストと引き換えにセキュリティと制御性を得る:初期投資と運用コストはパブリッククラウドより高いが、外部に出せないデータがある大企業・金融・官公庁では必要な投資となる
- クラウドバースティングとの組み合わせが現実解:通常負荷はプライベートで、ピーク時はパブリッククラウドに溢れさせるハイブリッド構成で柔軟性を補完できる
よくある質問
- Qプライベートクラウドに向いている業種・用途はどこですか?
- A
金融機関(口座情報・取引データ)、医療機関(電子カルテ・画像データ)、官公庁(機密情報)、製造業(設計図面・特許情報)が典型的な採用例です。規制産業や機密性の高いデータを大量に扱う組織での採用が多くなっています。
- Qプライベートクラウドを構築するのに使われるソフトウェアは何ですか?
- A
OpenStack・VMware vSphere・Microsoft Azure Stack・Red Hat OpenShiftが代表的なプラットフォームです。最近ではKubernetesをベースにしたプライベートクラウド基盤の採用も増えています。
- Qプライベートクラウドはコストが高いというのは本当ですか?
- A
初期投資と固定費はパブリッククラウドより高い傾向があります。ただし大規模で負荷が安定している場合、長期のTCOではプライベートクラウドのほうが安くなることもあります。利用規模と期間を加味した試算が判断の基本です。
- Qプライベートクラウドとパブリッククラウドの違いは何ですか?
- A
パブリッククラウドは複数の企業が物理インフラを共有して使うサービスです。プライベートクラウドは特定組織だけが使う専用環境です。専用性の高さがプライベートの強みですが、スケールの柔軟性と初期コストの低さではパブリッククラウドが優れています。
【出典】参考URL
https://biz.kddi.com/content/column/smartwork/what-is-private-cloud/ :プライベートクラウドの詳細解説
https://www.ibm.com/jp-ja/think/topics/public-cloud-vs-private-cloud-vs-hybrid-cloud :パブリック・プライベート・ハイブリッドの比較


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