- 建物・機械・PCなど長期間使う高額な資産の取得費用を、使用する期間に分けて少しずつ費用として計上する会計処理のこと
- 高額な資産を買った年に全額を費用にするのではなく資産が収益を生む期間にわたって費用を分散させることで実態に即した損益計算を行う
- 資産は時間の経過や使用で価値が減っていくという考え方に基づき、その価値の減少分を費用として計上する。法律で資産の種類ごとに使用期間(耐用年数)が定められている
【深掘り】これだけ知ってればOK!
耐用年数を理解しよう。減価償却の期間は、資産の種類ごとに法律(法定耐用年数)で定められている。例えば、パソコンは4年、軽自動車は4年、木造の事務所は24年などだ。この耐用年数にわたって資産の取得費用を分割して費用計上する。耐用年数は資産が実際に使える年数の目安であり、税務上の公平性を保つために定められている。
定額法と定率法を理解しよう。定額法:毎年同じ額を償却する。計算がシンプルで分かりやすい(100万円を5年なら毎年20万円)。定率法:初期に多く、年々少なくなるように償却する。初年度の負担が大きく、後年は小さくなる。資産の種類や企業の方針によって選択する。それぞれメリットが異なる。
ソフトウェアの減価償却(償却)を理解しよう。形のあるPCや機械だけでなく、無形固定資産であるソフトウェアも費用を分割計上する。自社利用ソフトウェアは一般に5年で償却する。ただし無形資産の場合は「減価償却」ではなく単に「償却」と呼ぶことが多い。IT投資(システム開発費など)の会計処理でこの考え方が重要になる。
よくある誤解
高額な資産は買った年に全額を費用にできると思っている
長期間使う高額な資産(建物・機械・車など)は買った年に全額費用化できず、法定耐用年数にわたって分割して費用計上する。ただし取得価額10万円未満の少額資産や、中小企業の30万円未満の特例など、一括費用化できる例外もある。
減価償却は現金が出ていく費用だと思っている
減価償却費は会計上の費用だが、その年に実際に現金が出ていくわけではない。現金は資産を買った時に支払い済みで、減価償却はその支出を後の年に費用として配分する処理だ。このため、利益とキャッシュフロー(現金の動き)は一致しない。
会話での使われ方

この100万円のサーバー、買った年に全額費用にはできません。耐用年数に応じて減価償却で分割計上します。
経理担当者が設備投資の会計処理を説明している場面。




このPCは10万円未満なので、減価償却せずその年の費用にできます。少額資産の特例ですね。
経理担当者が少額資産の処理を判断している場面。




減価償却費は現金が出ない費用なので、利益とキャッシュフローは一致しません。資金繰りは別に管理しましょう。
財務担当者が利益と現金の違いを説明している場面。
【まとめ】3つのポイント
- 高額な資産の費用を使用期間に分けて計上する会計処理:長期間使う高額な資産の取得費用を買った年に全額計上するのではなく資産が収益を生む期間にわたって分散させることで実態に即した損益計算を行う
- 資産の種類ごとに法定耐用年数が定められ定額法・定率法で償却する:パソコンは4年・木造事務所は24年など資産ごとに法律で耐用年数が定められ毎年同額の定額法か初期に多く償却する定率法で費用を分割計上する
- 減価償却費は現金支出を伴わないため利益とキャッシュフローは一致しない:減価償却費は会計上の費用だが現金は資産購入時に支払い済みでその年に現金が出るわけではないため利益とキャッシュフローが一致しない点を理解することが資金管理に重要だ
よくある質問
-
Qなぜ減価償却が必要なのですか?
-
A
高額な資産を買った年に全額費用にすると損益が実態を反映しないためです。資産が収益を生む期間に費用を分散させることで、各年の損益を適正に計算できます。
-
Q定額法と定率法の違いは何ですか?
-
A
定額法は毎年同じ額を償却し計算がシンプルです。定率法は初期に多く年々少なく償却します。資産の種類や企業の方針によって選択します。
-
Qすべての資産を減価償却しますか?
-
A
いいえ。取得価額10万円未満の少額資産は買った年に全額費用化できます。中小企業には30万円未満の資産を一括費用化できる特例もあります。
-
Q減価償却費は現金が出ていく費用ですか?
-
A
いいえ。現金は資産購入時に支払い済みで、減価償却はその支出を後の年に費用配分する処理です。そのため利益とキャッシュフローは一致しません。
【出典】参考URL
https://www.nta.go.jp/ :国税庁の減価償却の解説
https://www.chusho.meti.go.jp/ :中小企業庁(少額減価償却資産の特例)
https://e-words.jp/ :IT用語辞典「減価償却」


コメント