インタースティシャル広告とは?全画面広告の正しい使い方

マーケティング・戦略
インタースティシャル広告とは?ざっくりと3行で
  • ページの切り替わりや読み込みのタイミングで、画面全体を覆うように表示される広告のこと。映画の幕間に流れるCMをイメージすると近いよ
  • 画面をフルに使えるから視認性と訴求力が圧倒的に高い。アプリの収益化やキャンペーン告知で特に多用されている
  • ただしGoogleは2017年から過度なインタースティシャルに検索順位ペナルティを適用済み。使い方を間違えるとSEOもユーザー体験も両方失うから要注意
インタースティシャル広告によるユーザー離脱のリスクと適切な表示方法を映画館のCMに例えて解説する4コマ漫画。全画面表示の圧迫感と控えめな掲示の対比を描いている。
①映画の続きを楽しみにしていた男性客がスクリーンに見入る。②突然全画面のCMが割り込み、映画が中断されて男性は驚く。③怒った男性がポップコーンを散らしながら退席を決意する。④映画館スタッフが幕間に通路の端で小さな看板を控えめに掲げる。

映画の一番盛り上がる場面で、スクリーン全体がCMに切り替わったらどうでしょうか。ほとんどの観客は不快に感じ、中には席を立つ人も出てくるはずです。これはWebサイトやアプリにおけるインタースティシャル広告でも同じことが起きています。Googleの調査によれば、全画面広告が表示されたユーザーの69%がサイトへの訪問自体をやめたというデータが報告されており、コマ③で男性客が退席するシーンは決して誇張ではありません。

経営的な視点で見ると、インタースティシャル広告は画面全体を使えるため視認性が高く、CTRやコンバージョン率の向上が期待できる手法でしょう。しかしその効果は、表示タイミングを誤った瞬間にユーザー離脱という形で帳消しになります。さらに2017年1月以降、Googleは検索結果からの着地直後にコンテンツを覆い隠すインタースティシャルを表示するモバイルページに対し、検索順位を下げるアルゴリズムを適用しています。広告収益を追いかけた結果、SEO評価と顧客の両方を失う二重損失に陥るリスクがあるのです。

コマ④のスタッフが示した行動こそ、適切なインタースティシャル広告の在り方を象徴しています。幕間(ページ遷移時)に、端(画面の一部)で、小さく(許容範囲のサイズで)表示する。この3原則を守れば、Better Ads Standardsへの違反も避けられ、ユーザー体験と広告効果を両立させることが可能になります。全画面という武器は強力ですが、使い方を間違えれば観客のいない映画館で広告を流し続けるようなものではないでしょうか。

【深掘り】これだけ知ってればOK!

Googleの公式調査によると、Google+アプリのダウンロードを促すインタースティシャル広告が表示されたユーザーのうち69%がそのままサイトの訪問自体をやめたというデータがあります。全画面広告はインパクトの大きさと引き換えに、離脱リスクも極めて高い手法です。

では、そもそもなぜインタースティシャル広告が必要とされるのでしょうか。通常のバナー広告やアンカー広告は画面の一部にしか表示されないため、ユーザーの視線がコンテンツに集中しているとスルーされてしまうケースが少なくありません。新商品のローンチや期間限定キャンペーンのように、確実にユーザーの目に留めたい情報がある場合、画面全体を使って訴求できるインタースティシャル広告は有力な選択肢となります。

具体的にどんな広告なのかを整理しましょう。インタースティシャル(interstitial)は途中の間に挟まるを意味する英語で、ページAからページBへの遷移途中に全画面で差し込まれる広告を指します。表示形式は静止画、動画、インタラクティブ型の3種類があり、アプリ広告ではリワード(報酬付き)と組み合わせた形式も普及しています。

Googleのインタースティシャルペナルティが適用されるのは検索結果から直接訪問したページのみです。サイト内で別ページに移動した際に表示されるインタースティシャルは対象外と、Google社員のGary Illyes氏が明言しています。この違いを把握しておくだけで、設計の自由度は大きく変わるでしょう。

では実際にどう使えばペナルティを回避できるのか。Googleが公式に認めている安全なインタースティシャルは3パターンあります。1つ目はCookieの利用同意や年齢確認など法的義務に基づく表示。2つ目はログインが必要な非公開コンテンツへのアクセス制御。3つ目は画面占有が許容範囲内で、簡単に閉じられるバナー形式の表示です。 逆に、検索結果からの着地直後にコンテンツ全体を覆い隠す実装や、閉じないとコンテンツにアクセスできない設計は明確にペナルティ対象となります。

よくある誤解

インタースティシャル広告はすべてGoogleに嫌われる?

Googleが問題視しているのはインタースティシャル広告という形式そのものではなく、コンテンツへのアクセスを妨げる過度な実装方法です。法的義務に基づく表示やログイン画面はペナルティの対象外であることが公式ブログで明示されています。適切なタイミングと適切なサイズで設計すれば、検索順位への悪影響を避けながら活用することは十分に可能でしょう。

ポップアップ広告と何が違うの?

両者の混同は非常に多いのですが、技術的な仕組みは大きく異なります。インタースティシャル広告は現在表示中のページ内で全画面を覆うように表示され、ユーザーは閉じるか広告をクリックするかを選択します。一方、ポップアップ広告は新しいウィンドウやタブとして別画面で開く形式であり、現在の主要ブラウザでは標準でブロックされる対象になっています。

アプリ専用の広告でしょ?

たしかにゲームアプリのステージ間などで見かける機会が多く、アプリ専用だと認識している方もいるかもしれません。しかし実際にはWebサイトでも広く使われており、Google アドマネージャーにはWebサイト向けのインタースティシャル広告配信機能が標準搭載されています。Google AdSenseの自動広告でも全画面広告(ページ遷移時のインタースティシャル)を有効にできるため、Webサイト運営者にとっても身近な広告形式です。

会話での使われ方

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AdSenseの自動広告でインタースティシャルがONになってるけど、検索流入のLP直後に出てるっぽいから一回確認してもらえる?ペナルティ食らうと厄介だし。

SlackのDMで、プロダクトマネージャーがフロントエンドエンジニアに広告設定の確認を依頼した場面。検索流入ページでのインタースティシャル表示リスクを懸念している。

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インタースティシャル広告ってフローティング広告とどう違うんですか?

社内勉強会のQ&Aタイムで、入社1年目のマーケティング担当がメンターに素朴な疑問をぶつけた場面。広告形式の分類について整理しようとしている。

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今月のレポートですが、インタースティシャル広告のCTRが先月比で1.8倍になりました。表示タイミングをステージクリア後に変更した効果が出ています。

広告代理店の運用担当がクライアント企業との月次定例会議で成果を報告している場面。表示タイミングの最適化がパフォーマンス改善につながった事例を共有している。

インタースティシャル広告の歴史

インタースティシャル広告はWeb広告の中でも特にGoogleとの関係が深い歴史を持っています。規制の変遷を押さえておくことで、現在のガイドラインがなぜ存在するのかを理解できるはずです。

出来事
2000年代前半Flash技術の普及とともに、Webページの読み込み中に全画面で表示されるインタースティシャル広告が登場。リッチメディア広告の代表格に
2015年9月Googleがアプリインストールを促す大型インタースティシャル広告を表示するサイトのモバイルフレンドリー評価を下げると発表
2015年11月アプリインストール型インタースティシャルへのペナルティが正式に適用開始
2016年8月Googleがアプリ以外も含む全てのインタースティシャル広告を対象とした、より広範なペナルティの導入を予告
2017年1月モバイルページにおける煩わしいインタースティシャルの検索順位ペナルティが正式適用。ページ単位で評価が下がる仕組み
2019年7月Google ChromeがBetter Ads Standardsに違反する広告のブロックを全世界に拡大。インタースティシャルも対象に
現在HTML5ベースの静止画・動画・リワード型インタースティシャルが主流。Google アドマネージャーでもWebインタースティシャル機能を標準提供

【まとめ】3つのポイント

  • ページの切れ目に全画面で差し込まれる広告:画面全体を使うからこそ、バナー広告では届かない訴求力を持つ一方で、ユーザーの行動を強制的に中断させるリスクがある
  • 表示タイミングの設計で収益とUXを両立できる:検索結果からの着地直後を避け、ページ遷移やコンテンツの区切りに合わせれば、Googleのガイドラインに抵触しない運用が可能になる
  • ルールを知らずに使うと広告ブロック・順位低下の二重損失を招く:Better Ads Standardsとインタースティシャルペナルティの両方を理解してから導入しないと、広告収益もSEO評価も同時に失う

よくある質問

Q
インタースティシャル広告の収益単価はどのくらいですか?
A

媒体やジャンルによって幅がありますが、アプリ向け動画インタースティシャルの場合、eCPMで1,000〜3,000円程度が一般的な水準です。静止画タイプはこれより低く、リワード型と組み合わせた形式は高単価になる傾向があります。

Q
Google AdSenseのインタースティシャル広告はペナルティ対象になりますか?
A

AdSenseの自動広告で有効化される全画面広告は、Googleが定めた表示頻度やタイミングの制御に準拠しているため、通常の使用であればペナルティ対象にはなりにくい設計です。ただし、他の広告ネットワークと併用して過度なインタースティシャルが表示される状態になっている場合は注意が必要でしょう。

Q
インタースティシャル広告の表示頻度はどのくらいが適切ですか?
A

Google AdMobのガイドラインでは、アプリ内でのインタースティシャル広告はユーザーの操作の自然な区切り(ステージクリア後やページ遷移時)に限定することが推奨されています。連続したアクションの途中や、アプリの起動・終了時の表示は禁止事項として明記されています。

Q
インタースティシャル広告とフローティング広告との違いは何ですか?
A

最大の違いは画面の占有範囲にあります。インタースティシャル広告は画面全体を覆って表示されるため、ユーザーは広告を閉じるか操作しない限りコンテンツに戻れません。フローティング広告はページの一部に重なって表示される形式で、背後のコンテンツは閲覧可能な状態が保たれます。

この用語と一緒に知っておきたい用語

用語この記事との関連
フローティング広告インタースティシャル広告と最も混同されやすいオーバーレイ広告の一種。画面占有率と表示タイミングの違いを理解すると使い分けができる
ポップアップ新しいウィンドウで開く形式の広告で、インタースティシャルとは技術的な仕組みが異なる。ブラウザ標準のブロック対象になりやすい
ネイティブ広告コンテンツに溶け込む広告形式であり、インタースティシャルとは対照的にユーザー体験への干渉が小さい
CPCインタースティシャル広告の費用対効果を測る際に基本となるクリック単価の指標
ダークパターン閉じるボタンを故意に見つけにくくする設計はダークパターンに該当し、広告の信頼性とブランド価値を損なう

【出典】参考URL

https://www.sakurasaku-marketing.co.jp/labo/blogs/Interstitial :インタースティシャル広告の定義・Googleペナルティの詳細・2017年アルゴリズム変更の確認
https://co.nobilista.com/ja/column/seo/interstitial-ads/ :Better Ads Standardsとの関係・Googleガイドラインの具体的な禁止事項の確認
https://n-works.link/blog/webad/what-is-an-interstitial-ad :インタースティシャル広告のメリット・デメリット・適切な活用方法の確認
https://seopack.jp/seoblog/20160826-intersticial-pena/ :2016年8月のGoogle公式アナウンス内容・ペナルティ対象外の条件の確認
https://webtan.impress.co.jp/e/2016/09/02/23709 :ペナルティがページ単位で適用されるというGary Illyes氏の発言の確認
https://skettt.com/column/interstitial-ads :静止画・動画・リワード型の種類分類・リワードインタースティシャル広告の解説
https://ascii.jp/elem/000/001/422/1422024/ :Google+アプリのインタースティシャルで69%が離脱したデータの確認

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「IT用語、難しすぎて心が折れそう……」という方のための、ハードル低めな用語辞典です。

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