ざっくりとイミューダブル・インフラストラクチャー
- 手を加えないインフラ
- 一度作ったらそのまま
- エラー出たら新しく作る
イミューダブル・インフラストラクチャー(Immutable Infrastructure)=変更不能な基盤、下部構造という意味になります。
イミューダブル・インフラストラクチャーとは、一度作ったら変更しないインフラです。
イミューダブル・インフラストラクチャーとは
イミューダブル・インフラストラクチャーとは、一度構築されたシステムに手を加えない考え方だ。
なぜなら、既存のシステムを変更すると予期せぬエラーが起きる恐れがあるからだ。
例えば、一度設定したサーバーの設定を変えたとき、その影響で他の部分がうまく動かなくなることがある。 それならば、新たにシステムを作り直す方が手っ取り早く、エラーも少ない。
だから、イミューダブル・インフラストラクチャーという考え方が生まれた。
使用する職種
システムエンジニア
システムエンジニアは、既存のシステムに手を加える代わりに、新たにシステムを構築することで、トラブルを未然に防ぐことができます。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、ネットワーク設定の変更時に新たな環境を構築し、安全に移行できるようなイミューダブルな手法を適用します。
データベース管理者
データベース管理者は、データベースの設定変更やアップグレード時に新たに環境を作り、不具合が出た場合に早く原状復帰できるイミューダブル・インフラストラクチャーを活用します。
イミューダブル・インフラストラクチャーは、新しいシステムを構築したり、大きな変更を加える時におすすめです。
有名な企業や製品、サービス
Netflix
Netflixは、映画やドラマの配信サービスで知られる企業で、大量のユーザーに対応するための安定したシステム構築にイミューダブル・インフラストラクチャーを採用しています。
Docker
Dockerは、ソフトウェアをパッケージ化し、どの環境でも同じように動作するようにするツールで、イミューダブル・インフラストラクチャーの思想が根底にあります。
Amazon EC2
Amazon EC2は、クラウド上でサーバーを提供するサービスで、新たなサーバーを迅速に立ち上げることが可能で、これはイミューダブル・インフラストラクチャーの考え方を具現化したものです。インスタンスの作成や廃棄が容易なため、一度設定したサーバー環境を変更することなく新たな環境を作り出すことが可能です。
以上が、イミューダブル・インフラストラクチャーの概要とその実際の利用例になります。この技術はIT業界において、システムの安定性を保つための重要な手段となっています。類似語
フェニックスサーバー
イミューダブル・インフラストラクチャーの一種で、問題が発生したらサーバーを修復するのではなく、新しいサーバーを作り直すという考え方。
インフラストラクチャー・アズ・コード(IaC)
システムのインフラストラクチャーをコードで管理する手法。これにより、システム環境の再現性や変更の管理が容易となる。イミューダブル・インフラストラクチャーと併用されることが多い。
コンテナ技術
複数のアプリケーションを同一のOS上で独立して動作させる技術。これにより、アプリケーションの動作環境を一定に保つことができ、イミューダブル・インフラストラクチャーの考え方と相性が良い。
反対語
ミュータブル・インフラストラクチャー
「ミュータブル」は変更可能という意味を持ち、ミュータブル・インフラストラクチャーは変更・更新を行うことを前提としたインフラストラクチャーのことを指します。
スノーフレイクサーバー
個々のサーバーが独自の設定や状態を持つことから、一雪片(スノーフレイク)のようにユニークな存在とされる。このようなサーバーは状態が変わりやすく、イミューダブル・インフラストラクチャーとは対照的。
アドホックな運用
問題が発生した時にその都度対応する運用方法。一方でイミューダブル・インフラストラクチャーは問題発生時の対応を事前に定め、システムの状態を一定に保つ。
会話の例文
システム運用中、突然のサーバーダウンに直面した時
Q.「サーバーがダウンしてしまったけど、修復すべき?」
A.「いいえ、我々はイミューダブル・インフラストラクチャーを採用しているので、問題のあるサーバーを修復するのではなく、新しいサーバーを作り直しましょう。」
新機能の導入のためにサーバー環境を変更したいという要望が出た時
Q.「新機能の導入のためにサーバー設定を変更したいんだけど?」
A.「イミューダブル・インフラストラクチャーでは、設定を変更するのではなく、新しい設定で新規のサーバーを作成します。」
システムトラブルが発生し、原因追求を行う必要が出た時
Q.「現在のサーバーで問題が発生しているんだけど、原因追求を行うべき?」
A.「問題のあるサーバーはそのまま保管し、新たに問題のないサーバーを起動します。原因追求は、問題のあるサーバーを利用しながら行います。」
使用時の注意点
イミューダブル・インフラストラクチャーを使用する時の注意点は、全ての設定をコードで管理する必要性です。
なぜならば、サーバーの設定変更を手作業で行うと、新しいサーバーが旧サーバーと同じ状態にならないリスクがあるからだ。
例えば、手作業で設定変更を行った場合、その変更を新サーバーに反映する際にヒューマンエラーが生じる可能性がある。
そして、新旧のサーバーで環境が異なると、予期せぬトラブルが発生するリスクが上がります。このような問題を避けるため、全ての設定をコード(インフラストラクチャー・アズ・コード)で管理し、新サーバーの作成は自動化することが重要です。
だから、適切なツールや手法を用いて、設定のコード化と自動化に取り組むべきなのです。
イミューダブル・インフラストラクチャーで、サーバー運用を安定化。
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