ざっくりと
- 特別なクラス:抽象クラス
- 機能はサブクラスにお任せ
- 名前の統一や共通化が可能
抽象クラスは、名前の統一や共通化に役立ちます。
概要説明
抽象クラスとは特殊なクラスである。なぜなら、宣言だけが記述され、機能はサブクラスに任せているからだ。
例えば、同じ名前や処理を持つクラスを作るときに役立つ。そして、これにより複数人での開発がスムーズに進む。つまり、一定のルール作りに有用である。だから、開発者にとって重要なツールだ。
抽象クラスを使わない例
// 通常のクラス Dog
class Dog {
void bark() {
System.out.println("わんわん!");
}
}
// 通常のクラス Cat
class Cat {
void meow() {
System.out.println("にゃーん!");
}
}
// 実行部分
public class Main {
public static void main(String[] args) {
Dog myDog = new Dog();
myDog.bark(); // "わんわん!" を出力
Cat myCat = new Cat();
myCat.meow(); // "にゃーん!" を出力
}
}
抽象クラスを使った例
// 抽象クラス Animal
abstract class Animal {
abstract void sound();
}
// Animalクラスを継承したDogクラス
class Dog extends Animal {
void sound() { // 親クラスのメソッドをオーバーライド
System.out.println("わんわん!");
}
}
// Animalクラスを継承したCatクラス
class Cat extends Animal {
void sound() { // 親クラスのメソッドをオーバーライド
System.out.println("にゃーん!");
}
}
// 実行部分
public class Main {
public static void main(String[] args) {
Animal myDog = new Dog();
myDog.sound(); // "わんわん!" を出力
Animal myCat = new Cat();
myCat.sound(); // "にゃーん!" を出力
}
}
この例では、抽象クラスを使う場合、動物が鳴くという行動を示すメソッドの名前が sound()
で統一されている。一方、抽象クラスを使わない場合、犬の鳴き声を示すメソッドは bark()
、猫の鳴き声を示すメソッドは meow()
となっており、メソッド名に一貫性がない。このように、抽象クラスを用いることで、同じ種類の行動を表すメソッド名の統一性が保たれる。
職業職種
ソフトウェアエンジニア
抽象クラスは、開発のルール作りに役立つ。なぜなら、同じ名前や処理の統一が可能だからだ。例えば、共通の機能を持つ複数のクラスを一貫して扱うことができる。
システムアナリスト
抽象クラスは、開発の計画作りに有用である。なぜなら、クラスの機能や名前を一元管理できるからだ。例えば、複数の開発者が一貫した設計を行うことが可能になる。
プログラミング教師
抽象クラスは、学生にオブジェクト指向を教える際の重要な教材である。なぜなら、抽象クラスはオブジェクト指向の重要な概念であり、これを理解することはプログラミングスキルの向上に直結するからだ。例えば、抽象クラスを使って実際の問題を解く練習を行うことができる。
抽象とは、具体的な形がないことを意味します。
類似語
インターフェース
インターフェースは、抽象クラスと似ている。なぜなら、両方とも具体的な実装を持たず、メソッドの宣言だけを含んでいるからだ。例えば、クラスが特定の動作を保証するために使用する。
親クラス
親クラスは、抽象クラスと関連がある。なぜなら、抽象クラスも一種の親クラスで、サブクラスに継承されるからだ。例えば、親クラスのプロパティやメソッドが子クラスに受け継がれるような場合に使う。
テンプレートメソッド
テンプレートメソッドは、抽象クラスと一緒に使われることが多い。なぜなら、これは特定の手順を定義し、その中の一部をサブクラスでオーバーライドするためのパターンだからだ。例えば、同じ手順を持つが一部だけ異なるプロセスを実装する時に使う。
反対語
具象クラス
具象クラスは、抽象クラスの反対だ。なぜなら、具象クラスは全てのメソッドが具体的な実装を持つからだ。例えば、直接インスタンスを生成して使えるクラス。
子クラス
子クラスは、抽象クラスとは逆の立場だ。なぜなら、子クラスは抽象クラスから継承され、抽象メソッドを具体的に実装するからだ。例えば、親クラス(抽象クラス)のメソッドをオーバーライドして使うクラス。
値クラス
値クラスは、抽象クラスとは異なる性質を持つ。なぜなら、値クラスは状態(データ)を持つが、抽象クラスは状態を持たず、振る舞いだけを定義するからだ。例えば、数値や文字列などの具体的な値を持つクラス。
会話例
新人プログラマーとチームリーダーの間の会話
「このクラスは具体的な機能がないけど、何のためにあるの?」
「それは抽象クラスだよ。具体的な実装はサブクラスで行うんだ。一緒に開発する時に、メソッドの名前や引数の型を統一するために使うんだ。」
中学生のプログラミング学習で教師と生徒の会話
「抽象クラスって具体的に何をするの?」
「抽象クラス自体は何もしないんだ。でも、その抽象クラスを継承するサブクラスで具体的な動作を定義するんだよ。」
開発チームのミーティングでプログラマー同士の会話
「この抽象クラス、どういうときに使うの?」
「共通の機能を持つクラスを作る時に使うよ。具体的な処理はサブクラスで定義するから、同じ名前や引数でメソッドを使えるんだ。」
注意点
抽象クラスを使用する時の注意点は、全ての抽象メソッドを実装することだ。なぜならば、抽象クラス自体は具体的な実装を持たないからだ。
例えば、抽象クラスを継承したサブクラスで、抽象クラスの全ての抽象メソッドを実装しなければならない。そして、抽象クラスはインスタンス化できない。だから、抽象クラスの使用には注意が必要だ。
抽象クラスとインターフェースは、間違えやすいので注意しましょう。
抽象クラスは具体的な実装を持つことが可能ですが、全て抽象メソッドである必要はありません。
一方、インターフェースは全てのメソッドが抽象メソッドである必要があります。
コメント