- Business(ビジネス)・Technology(テクノロジー)・Creativity(クリエイティビティ)の3領域を横断できる人材のこと!デザインファームTakramの田川欣哉氏が提唱した概念だよ
- 従来の日本はビジネスとテクノロジーのBT型人材が多かったけど、そこに顧客視点のクリエイティビティ(C)を加えることでイノベーションを生み出せるようになるよ
- メルカリやスマートニュースの創業者もBTC的な思考が強く、ビジネスの成功確率を高める人材像として企業からの注目度が急上昇しているよ
コスト計算だけに没頭するシェフ、最新機器の調整に夢中なシェフ、盛り付けの美しさだけを追うシェフ。この3人がかみ合わない光景は、プロジェクト現場でビジネス担当・エンジニア・デザイナーがそれぞれの正義を主張し合い、結果として中途半端なプロダクトが生まれてしまう典型的な失敗パターンそのものです。
BTC型人材が求められるのは、まさにこの断絶を解消するためにほかなりません。ビジネスの収益性、テクノロジーの実現可能性、そしてユーザー体験の魅力。漫画の見習いシェフのように、この3つの視点を横断して意見をつなぎ、三方向すべてが成立するスイートスポットを探れる人材がプロジェクトの核になります。
ただし、デプロイ太郎が指摘するとおり、最初から3領域すべてを同時に習得しようとするのは現実的ではありません。Takram田川欣哉氏も、まず1つの専門領域で能力のピークを作り、そこから隣の領域へ越境していくステップアップ型の成長を推奨しています。エンジニアならUXデザインを学ぶ、デザイナーならビジネスKPIを理解する、といった形で得意領域50%と未知領域50%のプロジェクト経験を積むことが、BTC型人材への最も確実なルートとなるでしょう。1つの味を極めた人だけが、隣の鍋の味もわかるのです。
【深掘り】これだけ知ってればOK!
BTC型人材とは、B(Business=ビジネス)・T(Technology=テクノロジー)・C(Creativity=クリエイティビティ)の3領域すべてに一定の理解と関与ができる人材を指します。デザインイノベーションファームTakram代表の田川欣哉氏が著書イノベーション・スキルセットで提唱し、グロービスや経済産業省のデザイン経営宣言とも接続する概念として注目を集めました。
この概念が生まれた背景には、ビジネス・テクノロジー・デザインの3領域が完全に分業された状態では、本当に優れたプロダクトやサービスは生まれないという課題意識があります。ビジネス側の正義とエンジニアリング側の正義、そしてユーザー体験を重視するデザイン側の正義は常にすれ違います。この3方向から見たときにスイートスポットにピタッとはまっている製品やサービスだけが市場に残るという考え方が、BTC型人材の核心です。
BTCの中でも特に重要視されているのが、C(クリエイティビティ)の要素です。ここでいうクリエイティビティは、見た目を美しくするだけのデザインではありません。顧客と向き合うためのスキルであり、ユーザーの課題を深く理解し、共感を得られる体験を設計する能力を指します。具体的には、デザイン思考に基づくフィールドリサーチ、仮説構築、プロトタイプによる検証を繰り返すプロセスが含まれます。
BTCの3領域を結合する職種として、田川氏は3つのブリッジ役を挙げています。B×Cをつなぐビジネスデザイナー(戦略と体験を同時に考える人)、T×Cをつなぐデザインエンジニア(技術とユーザー視点を融合させる人)、そしてC単体のクラシカルデザイナー(プロダクトデザインやグラフィックデザインの専門家)です。特にビジネスデザイナーは日本では希少種とされ、戦略と顧客体験を同時に設計できる人材への需要が高まっています。
会話での使われ方

新規事業のチーム編成、BTCのバランスを意識して組んでくれ。ビジネスだけの人ばかり集めても良いプロダクトにはならないから。
事業部長が新規事業プロジェクトの立ち上げ時に、チームリーダーへ指示を出している場面です。ビジネス人材・エンジニア・デザイナーの3職種をバランスよくアサインする重要性を伝えています。




UIの修正、ビジネスKPIへの影響と技術工数の両方を考えてから提案してほしい。BTC視点で判断しよう。
プロダクトマネージャーがデザイナーにUI改善の方針を伝えている場面です。デザインの観点だけでなく、ビジネスとテクノロジーの視点を統合して意思決定する姿勢を求めるケースを示しています。




エンジニアだけどUXの勉強も始めたんだ。BTC型を目指して、まずはTとCのブリッジから挑戦しようと思って。
エンジニアの同僚がランチの場でキャリアプランを話している場面です。テクノロジーを起点にクリエイティビティ領域へ越境し、デザインエンジニアとしてのスキルを広げようとするケースを示しています。
【まとめ】3つのポイント
- 3つの正義をまとめる通訳者:BTC型人材は、ビジネス・テクノロジー・クリエイティビティそれぞれの正義がすれ違う場面で、三方向すべてが成立するスイートスポットを見つけ出す人材像
- 1人で全部やらなくてもいい:3領域すべてを1人でマスターする必要はなく、まず1つの強みを深めてから隣の領域へ越境するステップアップ型のキャリア設計が現実的
- Cがないと市場に残れない:ビジネスとテクノロジーだけのBT型では、ユーザー体験の質が伴わず競争力を失うリスクがあり、クリエイティビティを加えることで初めてイノベーションが生まれる
よくある質問
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QBTC型人材になるには何から始めればいいですか?
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A
まず自分がBTCのどこに立っているかを把握することが最初のステップです。ビジネス出身ならデザイン思考やプロトタイピングを学ぶ、エンジニアならUXデザインに触れるなど、隣接する領域へ少しずつ越境していくのが効果的とされています。いきなり3領域すべてを学ぼうとせず、1つの強みを土台にすることが重要です。
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QBTCのC(クリエイティビティ)はデザイナーだけに必要なスキルですか?
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A
いいえ、デザイナーに限った話ではありません。BTCにおけるクリエイティビティとは、見た目の美しさだけでなく、顧客の課題を深く理解し共感を得られる体験を設計する能力のことです。事業の構想を描くとき、キャリアのグランドデザインを考えるときなど、あらゆるビジネスパーソンに求められるスキルとされています。
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QBTC型人材はどんな企業で求められていますか?
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A
新規事業の立ち上げやプロダクト開発を行うスタートアップから大企業まで、業種を問わず需要が高まっています。特に、WebサービスやアプリなどのIT企業、デザイン経営を推進する製造業、DXに取り組む伝統的企業で重宝されており、メルカリ・メドレー・Takramなどが代表的な事例として知られています。
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QBTC型人材とT字型人材の違いは何ですか?
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A
T字型人材は1つの専門分野を深く持ちつつ幅広い知識も備えた人材を指し、ビジネスと専門性の2軸で語られてきました。一方BTC型人材は、そこにクリエイティビティ(顧客視点)という第3の軸を加えた三次元の人材像です。2軸のT字型が進化した形として位置づけられています。
【出典】参考URL
https://mba.globis.ac.jp/knowledge/detail-21107.html :BTCスキルの定義・グロービス高宮氏と梅澤氏の対談の根拠
https://brik.co.jp/tips/10235 :BTC人材の定義・具体的なスキルセット・VUCA時代の必要性の根拠
https://globis.jp/article/7214/ :Takram田川欣哉氏によるBTCの3職種・育成方法の根拠
https://www.adaddict.jp/inovation-btc/ :BTCモデルの詳細・デザイン思考のステップの根拠
https://logmi.jp/main/management/327870 :BTC型チーム編成・新規事業での活用方法の根拠
https://workmill.jp/jp/webzine/btc-tagawa-20230306/ :BTC人材の育成プロセス・イノベーション創出の根拠



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