BPRとは?業務プロセスを根本から見直すビジネスプロセス再設計

企画・プロジェクト管理
BPRとは?ざっくりと3行で
  • Business Process Reengineering(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の略で、既存の業務プロセスを現状維持での改善ではなく抜本的にゼロから再設計して劇的な業績改善を目指す経営手法のこと
  • 1993年にマイケル・ハマーとジェームズ・チャンピーが著書「リエンジニアリング革命」で提唱し「コスト・品質・サービス・スピードという経営の重要指標を劇的に改善する」ことを目標とする
  • 単なる業務改善(カイゼン)や自動化とは異なり「なぜこのプロセスが存在するのか」という問いからスタートしてIT技術を活用した全く新しいプロセス設計を行う点が特徴だ

【深掘り】これだけ知ってればOK!

BPRの特徴:抜本的な再設計(既存プロセスをゼロベースで見直す)・劇的な改善目標(10〜20%ではなく50〜90%という劇的な改善)・IT活用前提(ITを業務変革の手段として活用)・プロセス視点(部門の縦割りを超えてエンドツーエンドのプロセス全体を最適化)。

BPRとBI(業務改善・カイゼン)の違いを整理しよう。カイゼン(継続的改善):既存プロセスの延長上で少しずつ改善する。現場主導で変革リスクが低い。BPR:既存プロセスを白紙にしてゼロから再設計する。トップダウンで変革リスクが高いが劇的な成果が期待できる。DX推進においてBPRは業務デジタル化の根本的な変革を実現するアプローチとして再注目されている。

BPRの進め方:①現状プロセスの可視化(AS-IS分析)②問題点・非効率な部分の特定③あるべき姿のプロセス設計(TO-BE設計)④IT・自動化を活用した新プロセスの実装⑤効果測定とPDCA。プロセスマイニングツールを使ってシステムのログから実際の業務フローを可視化することが現代のBPRの第一歩だ。

現代のBPRはDXの文脈で「デジタルBPR」として再解釈されている。クラウド・AI・RPAを活用して業務プロセスを根本から変える取り組みだが、1990年代の大規模リストラを伴った失敗事例から学び、段階的な実施とチェンジマネジメントの重視が現代の実践では強調されている。

BPR推進でよくある失敗として「ツールを先に入れる」という問題がある。既存の非効率なプロセスのままSaaSやシステムを導入すると、そのシステムに縛られた形で非効率が固定化される逆効果になる。まずBPRでプロセスを整理してからツールを選定するという順序が重要だ。

よくある誤解

BPR=業務の自動化だと思っている

BPRは自動化を手段として活用するが目的は業務プロセスの抜本的な再設計だ。非効率なプロセスをそのまま自動化しても無駄が自動化されるだけで根本的な改善にならない。まずプロセス自体の妥当性を問い直してから自動化を検討することがBPRの本質だ。

BPRは大企業だけの話だと思っている

BPRの考え方はどの規模の組織にも適用できる。中小企業のデジタル化においてもSaaSを導入する前に業務プロセスを見直すBPRのアプローチは重要だ。ツールを入れる前にプロセスを整理しないとSaaSに業務が縛られる逆効果になるリスクがある。

会話での使われ方

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DX推進の中でBPRをやります。まずプロセスマイニングで現状の業務フローを可視化して、どの工程が非効率かを特定してからTO-BE設計に進みましょう。

DX推進担当者がBPRの進め方をチームに説明している場面。

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この新システムを入れる前に、現状の業務フローを全て棚卸しする必要があります。既存プロセスのままシステムを入れても効果が半減します。

コンサルタントがBPRを先行させずにシステム導入するリスクを説明している場面。

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承認プロセスが10個の部門を経由しているのは歴史的な経緯で本当は3つで足りるはずです。BPRでゼロベースで見直しましょう。

業務改革担当者が過剰な承認プロセスのBPRによる抜本的な見直しを提案している場面。

【まとめ】3つのポイント

  • 既存プロセスをゼロから再設計して劇的な業績改善を目指す経営手法:10〜20%の改善ではなく50%以上の劇的改善を目標にIT活用と組み合わせてプロセス全体を抜本的に変革するアプローチがBPRの本質だ
  • カイゼン(継続的改善)との違いは変革の規模とアプローチの根本性:カイゼンが既存プロセスの延長上での改善であるのに対しBPRは白紙からのゼロベース設計でDX推進においてデジタルBPRとして再注目されている
  • 自動化の前にプロセスを見直すことで無駄の自動化を避ける:非効率なプロセスをそのまま自動化しても無駄が自動化されるだけのためまずBPRでプロセスの妥当性を問い直してからRPAや自動化ツールを導入することが真のDX効果につながる

よくある質問

Q
BPRとBPI(業務プロセス改善)はどう違いますか?
A

BPIは既存プロセスの延長上で問題点を特定して改善していく手法です。BPRは既存プロセスを白紙にしてゼロから再設計する手法です。変革の規模・リスク・期待できる改善幅がBPIより大きい点が異なります。

Q
BPRはDXとどう関係しますか?
A

DXの本質は単なるデジタル化ではなくITを活用したビジネスモデルや業務プロセスの変革です。BPRはそのDXを実現するために業務プロセスを根本から変革する方法論として位置付けられます。

Q
BPRのリスクはありますか?
A

変革リスクが高く1990年代には多くの失敗事例がありました。現場の抵抗・移行期の混乱・期待値とのギャップが主なリスクです。チェンジマネジメントの重視と段階的なアプローチでリスクを軽減することが推奨されます。

Q
プロセスマイニングとBPRはどう関係しますか?
A

プロセスマイニングはシステムのログデータから実際の業務フローを可視化するツールです。BPRのAS-IS分析の段階でプロセスマイニングを使うことで客観的なデータに基づいて非効率なプロセスを特定できます。

【出典】参考URL

https://hbr.org/1990/07/reengineering-work-dont-automate-obliterate :ハマーのBPR原著論文(HBR 1990年)
https://www.gartner.com/en/information-technology/glossary/business-process-reengineering-bpr :GartnerのBPRの定義

:NRIによるBPRの解説

コメント

「IT用語、難しすぎて心が折れそう……」という方のための、ハードル低めな用語辞典です。

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